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仮想空間のSNSアプリを手がける「Tagging(貼標簽科技)」がこのほどプレシリーズAで数千万元(数億円)を調達した。磊梅瑞斯創投(Leimerious)、棕熊資本(Zongxiong Capital)などが出資した。
今年に入りメタバースは大きな盛り上がりを見せ、多くの企業がインターネット事業の次なる一手としての可能性を探求するようになった。事業全体としてはインフラ、端末、コンテンツアプリの3つに分けられ、Taggingはコンテンツアプリに注力している。同社はユーザーにバーチャルIDを発行し、メタバースへの「入場券」を提供している。
創業者の柴舸洋氏は、インターネットはすでにブロックチェーン技術により実現される分散型ネットワーク「Web3.0」時代に突入しており、「Web1.0」や「Web2.0」時代に比べ、より解決が必要なのはデータ流通の問題だと指摘する。「個々のプラットフォームはそれぞれが『データの孤島』のようになっている。特に今年は、中国政府がデータ管理規制を強化し、ユーザーの個人情報がより重視されるようになった。このため、ただデータを直接販売するのではなく、データを循環させてサービス体系に変える新たなビジネスモデルが模索されるようになった」と語る。
Taggingはアプリに投げ銭のシステムを取り入れてユーザー間でやりとりすることでポイントを取得できるようにした。同社アプリの基本要素は以下の4点だ。
一つ目はバーチャルIDの作成。アプリのログイン画面はバーチャルキャラクターのカードになっていて、カードごとに異なるNFT(非代替性トークン)が附帯されている。ユーザーが自身のバーチャルIDを作成する際はまず、専門性、長所、好みなどの観点から自分に関する3つのタグを設定する。柴氏は、今の時代の特徴の一つに人物のキャラクター化があると考え、Taggingのカードそれぞれに一つのキャラクターを設定したとしている。設定されたタグは個人ページ上に流れる字幕の形で繰り返し表示される。
二つ目はアプリでのメッセージの発信をタグにより行う点だ。同意すれば「タグ付け」、同意しなければ「タグをはがす」方式を採用している。タグには字数制限があり、若い人が好む短めの7文字以内とされている。例えば、ネット用語として用いられる「yyds(すごい)」といったワードなどは使いやすいという。
三つ目はデジタル経済システムの構築だ。ユーザーのデータ資産は活動した分だけ増えるシステムになっている。ユーザーがTagging内でやり取りすると、プラットフォームにはデータが残る。プラットフォームはユーザーが残したデータを基に相応のポイントを付与する。このポイントはキャラクターのアイテムと交換できる。
四つ目はコミュニティの共同構築を目指す点だ。Taggingは当初、インビテーション方式で段階的にユーザー数を増やしていった。最も早く利用を始めたユーザーたちは、コミュニティの開設者でもある。彼らはコミュニティを構築する権利を有し、コミュニティの更新内容に投票できる。柴氏はこう語る。「ユーザーにはTaggingの中で相手を認識し、コミュニティに参加してほしいと思っている。コミュニティを共に作り上げることも仮想空間の重要な要素だ。我々のアプリが最終的にどのような形になるのか、それを決めるのはユーザーだ」
Taggingの強みはまず、基盤技術にある。同社のアルゴリズムは従来の関連情報のプッシュではなく、補完情報のプッシュを行う。次に、ブロックチェーン暗号化技術を有する点だ。ユーザーデータの暗号化処理が可能で、個人情報漏洩防止にもなる。同社は2020年にアプリの構想を練り始め、今年6月に11件のメタバース技術特許とソフトウェア著作権の申請が認められた。
柴氏はこれまで、香港でAI、ビッグデータ関連企業の創業や、香港のブロックチェーン協会連合会長を務めてきた。AI、ビッグデータ、ブロックチェーン分野の経験が豊富だ。
(翻訳・Qiunai)
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