中国、2022年の経済方針は「安定」重視 不動産規制、脱炭素政策で一部緩和

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2022年の中国の経済方針を決定する中央経済工作会議が北京で開かれた。会議後に発表された公式声明では、今年1年の経済情勢がまとめられると共に、来年の経済活動の方向性が示されている。

「安定成長」が第一に

会議では中国が直面している需要縮小、供給ショック、市場からの期待値低下という3つの課題について言及があった。

会議の中で、2022年は「穏中求進(安定した中で前進するよう求める)」を維持すると示されたほか、各地域、各部門がマクロ経済安定のために責任を負うこと、経済安定のためにあらゆる分野で積極的かつ適切な方法で政策を打ち出すことが求められた。

中国が直面する経済の下押し圧力は強まっている。今年後半は過度な排出量削減と電力の供給制限による生産停滞、また不動産に対する信用の低下により供給コストが押し上げられ、経済が停滞した。さらに需要の縮小もあり、政府はカウンターシクリカル(反循環的)措置で対応した。

具体的な投資戦略

2022年の安定成長に向け、どのように投資につなげるかが重要だ。市場が注視しているのは金融・財政政策と新エネルギー関連の方針だろう。

金融政策に関しての表現は「安定した金融政策を臨機応変かつ適度に行い、合理的に流動性の余裕を維持する」とされている。特に今年は再貸出金利の引き下げ、脱炭素化に取り組む企業への低利融資策などを打ち出したが、これらは今後強化する予定の中小企業、技術イノベーション、グリーン成長支援策の考え方と一致する。また、今年は預金準備率を引き下げて長期資金を放出し、大量に満期を迎える中期貸出制度(MLF)融資の返済に充てている。実質的には中小企業の資金調達コストを引き下げていく狙いだ。

不動産に関しては「住宅は投機対象ではない」との立場を維持し、不動産投資への厳しい規制を続けると表明している。ただ、実需を埋めるための部分的な緩和は行われる。このため、2022年の社債発行など民間での資金調達は持ち直すと見られる。

次に重視されるのは財政政策だろう。今年、地方政府はレバレッジ(外部負債依存)解消を進めたため、財政支出は予想を大きく下回った。公開データによると、今年の第1~第3四半期までの財政と政府系基金の収入は前年同期比で14.7%増えたが、支出は下がっている。通貨当局関係者の話によると、政府の預金額は5兆7000億元(約100兆円)に達し、同時期としては史上最も高い水準となっている。これは、今年大量に発行したインフラプロジェクトのための特別債がいまだ銀行に眠っていることを示してる。中央財経委員会弁公室の韓文秀副主任は、積極的に効果的な投資を拡大し、適度にインフラ建設を前倒しするべきだと語った。

最後に、会議では「炭素排出のピークアウト」「カーボンニュートラル」についても議論され、「着実に進めていくが、一気にすべてを解決することは不可能」「従来のエネルギーを段階的に減らすには新エネルギーの安全性を保障する必要がある」などの表現が盛り込まれた。脱炭素に向けた取り組みは確実に進めるが、実行の際には今年後半に見られた電力使用の制限や停電などの措置はとられないと見られる。

二酸化炭素排出削減策については、排出量抑制からエネルギー消費の質を向上させる方針へ転換することが示された。エネルギー消費の量と強度を抑制するとした従来の「双控」政策を変更し、抑制の対象を二酸化炭素に絞っていくとしており、企業は経済活動を妨げることなくエネルギーを消費しながら、グリーンエネルギーの使用効率を高めるよう促される。この方針は排出削減目標が定められて以来最も重要な変更点だ。

投資の視点からは、新エネルギーは来年も投資対象の中心であり続けるだろう。脱炭素目標達成に向け、発電事業者の資本投入は高い成長を続けると見られる。太陽電池メーカーの「隆基(LONGi)」など川上の大手企業による製品の値下げでコスト圧力も弱まると予想され、川中の企業にとっては需要の巻き返しや、来年前半には評価額が回復する期待も持てる。

(翻訳・Qiunai)

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