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企業の顧客体験管理や従業員の体験管理を支援する「Choiceform Network Technology(巧議網絡科技)」が、3000万ドル(約35億円)を調達した。リード・インベスターは「セコイア・キャピタル・チャイナ・シードファンド(紅杉中国種子基金)」、「万物資本(Zoo Capital)」などで、コ・インベスターは「信天創投(ALBATROSS VENTURE)」など。
Choiceform は2015年設立で、デジタル戦略、データ分析、体験設計、専門知識の活用を顧客体験管理の戦略に取り入れている。似ているビジネスモデルの海外企業として、2018年に独SAPが80億ドル(約9250億円)で買収した米Qualtrics(クアルトリクス)がある。Qualtricsは21年初めにナスダック上場を果たし、一時は時価総額273億ドル(約3兆1600億円)に達していた。
一方、中国にはCEM(顧客体験管理)を提供する企業が多数存在するが、多くはスタッフがカスタマイズ開発を行うなど人手に頼ったソリューションを提供しており、効率が低く、コストが高い。
Choiceformと他社との一つ目の違いは、Choiceformはテクノロジーを活用して体験管理の全プロセスを再構築している点だ。
まず、カスタマージャーニー(顧客が商品やサービスを認知し、関心を持ち、検討し、購入・利用に至るまでのプロセス)の段階を設計するに当たり、Choiceformがバックエンドで質問のテンプレートを設定する。顧客企業は、コードを書かずにドラッグ&ドロップの操作だけで、質問と質問をつなぐ論理を自由に組み合わせる。
次にアンケートを送付する段階では、Choiceformは送付のタイミングを重視する。例えばホテルをチェックアウトする時、車の試乗を終えたタイミングなどは顧客がアンケートに回答してくれる可能性が高く、効率がよい。
アンケートを回収した後、ChoiceformはXデータ(Experience data、顧客体験データ)とOデータ(Operational data、運営データ)を結び付け、アルゴリズムがリアルタイムで判断して需要を正確に捉え、顧客に対して直ちにプッシュ通知(お知らせの自動送信)を送信したりフォローアップを行ったりする。
Choiceformを利用する企業は効率よく顧客体験データを収集し、データ資産を蓄積できる。エンドツーエンドで顧客データをつなぐこのような方法では、顧客とのやりとりがよりスマートになり、戦略はより論理的に策定できる。
体験管理プラットフォームではそれぞれの業界に合わせて専門家の知識を取り入れ、カスタマージャーニーの設定、重要なタイミングの選択、データ分析を行う。プラットフォームでは体験のフィードバックから実際のアクションに至るまでの全タッチポイント(企業と顧客の接点)をつなぐため、業務フルプロセスおよび顧客のフルライフサイクルをリアルタイムで網羅できる。
二つ目の違いは、顧客価値の高い業界に照準を合わせている点だ。Choiceformのシステムは自動車、不動産、3Cデジタル機器(パソコン、通信機器、家電製品)、ニューリテール業界の大手企業の高い評価を受けている。同社の顧客数は21年には約100社に上り、売上高も間もなく1億元(約18億円)を超える。
同社の奚峰CEOは顧客体験管理事業の将来性に自信を示し、「企業が成熟市場やSNSコミュニティなどからの集客を一層重視する傾向にある中、顧客を中心に据えた体験管理は企業の運営とマーケティングで今後重要な要素になる。Choiceformは、顧客企業が安全かつ合法的に体験データを利用し、スマートな体験管理を実現し、業績を改善できるよう支援をする」と話す。
奚CEOは、企業が顧客およびデジタル化を徐々に重視するようになったのに伴い、CRM(顧客関係管理)、CEM、CDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)、SCRM(ソーシャル・カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)など、現在複数ある顧客へのアプローチ方法は将来的に融合して一つの新しい形態になるとみている。
(翻訳・36Kr Japan編集部)
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