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ソーシャルメディア管理プラットフォーム「KAWO(科握)」がこのほど、シリーズAで約1000万ドル(約12億8000万円)を調達した。タイガー・グローバル・マネジメント(Tiger Global Management)が出資を主導し、セコイア・キャピタル・チャイナも出資に加わった。
2017年に上海で設立されたKAWOは、ブランドやマーケティング組織向けにワンストップのソーシャルメディア管理プラットフォームを提供し、企業の業務フロー改善やコラボレーション、データ主導の効果的な意思決定を支援している。標準化されたSaaSを提供しているソーシャルメディア管理プラットフォームとしては中国初だ。KAWOのメンバーはSaaSやデジタルマーケティングの分野に長年従事しており、中国ソーシャルメディアの効果的な運営戦略について造詣が深い。創業者の李静遠CEOはニューヨーク大学で生物学と経済学の学位を取得、SaaS業界の連続起業家で、KAWO全体の戦略と運営を一手に担っている。
KAWOのプラットフォームではソーシャルメディアのアカウント管理やマーケティングキャンペーンのスケジューリング、チームおよびクライアントとの効果的なコラボレーションが行えるほか、詳細なデータ分析レポートやライバル企業のモニタリングなどを通じてソーシャルメディアデータのさらなる活用を後押しする。現時点では微博(Weibo)、微信(WeChat)、TikTok中国版の抖音(Douyin)、快手(Kuaishou)に対応しているほか、間もなく小紅書(RED)やビリビリ動画(Bilibili)などもサポートする予定で、中国の主要なソーシャルメディアプラットフォーム全体をカバーすることになる。
現在、12業種に及ぶ国際ブランド500以上がKAWOのサービスを導入しており、ロレアルやFIFA(国際サッカー連盟)、ナイキなど大手のほか、金融や行政機関、ラグジュアリーブランド、エンタメ、テクノロジーなど幅広い分野で活用されている。
プラットフォームの売上高はすでに1000万元(約2億円)規模に達しており、リピート率は100%を超える(契約更新と付加価値サービスの販売を含む)。「KAWO Core」と「KAWO Core+」という2種類のサービスで展開しており、アカウントごとの年間サブスクリプション方式を採用している。ソーシャルメディアはブランドが消費者に直接リーチできる重要なチャネルだ。中国のソーシャルメディアマーケティングでは五大プラットフォーム(微信、微博、抖音、快手、小紅書)の構図が出来上がりつつあるが、ビリビリ動画や知乎(Zhihu)などマイナーでソーシャル性が低いと見なされていたプラットフォームも、新消費ブランドの台頭に伴い新たなマーケティングツールとなりつつある。
国内外のソーシャルメディア管理ツールは、CRM(顧客関係管理)システムと組み合わせることで機能の充実が図られており、Sprout SocialやSprinklr、Hootsuiteなどの著名企業も誕生している。うち2社は上場企業だ。米国のSprout Socialは2019年12月にナスダック市場に上場を果たし、現在はKAWOと緊密に提携している。
中国のソーシャルメディア管理ツールは海外製品に比べて内部のコラボレーションや効率化などの理念がやや欠けており、ソーシャルメディア管理の浸透率も低い。中国ではソーシャルメディアマーケティングがますます複雑さを増していることから、この分野に特化したSaaS業界が急成長を遂げている。KAWOのチームはこの流れに着目し、2年をかけてマーケティング担当者向けのSaaS型プラットフォームを完成させた。今後は、さらに多くのプラットフォームやツールを統合し、企業やソーシャルメディアの管理者に満足の行くソリューションを提供することを目指していく。
(翻訳・畠中裕子)
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