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シェアサイクルの衰退が激しい。「ofo」は倒産のうわさがやまず、「摩拝(Mobike)」や「哈囉出行(Hello TransTech)」は値上げに踏み切った。客単価が低いうえロス率が高く、コストに見合うだけの売り上げを出せなかったことが最大の要因だ。
しかし、近距離の移動手段は依然として必要とされている。AIやスマートデバイスを手がける「騎酷科技(大連)有限公司(Qiku Technology)」は、自社開発したハンドル付きバランススクーター「騎酷(QIKU)1号」でそのニーズを満たそうとしている。
騎酷1号は主に18~40歳のユーザーをターゲットにしている。目的地に到着後、充電ポートに戻して固定し、アプリを開いて操作すれば、返却が完了する。
この種のバランススクーターは、すでに「セグウェイ」や「Ninebot」、「INMOTION(楽行天下)」、「CHIC(騎客智能)」などのブランドが国内でシェアを獲得している。しかし騎酷科技CEOの徐廷昭氏は、騎酷1号にはアルゴリズムの面で大きな強みがあると考える。ユーザーの体重や操作の癖に基づいて、AIアルゴリズムが出力や方向転換の感度などを自動的に最適化し、機械のほうから使用者に合わせてくれるのだ。
騎酷科技の戦略プランでは、まず大学や観光地などの特定のエリア内でシェアサービスを普及させ、収益を上げるという。大学内では客単価は低いが、使用頻度やユーザーの定着率は高いと考えられる。料金は1時間3元(約50円)で、1台につき約150日で費用を回収できるという。観光地では使用頻度やユーザーの定着率は低いが、客単価は高くなる。1時間30~60元(約480~1000円)に設定すれば、1台につき約40日で費用を回収できる見込みだ。リテール向け戦略では、大手ブランド向けに独自のバランススクーターをカスタマイズする。既に複数の自動車メーカーと提携している。
シェアサイクルも大学など一定のエリア内から始まったが、利用可能なエリアが拡大されると、紛失や故障など多くの問題が噴出した。この管理の難しさを解決するには、バランススクーターを必ず所定の位置に戻し、充電ポートに接続することで返却を完了することが必要だと、徐廷昭氏は考える。「どこでも自由に乗り捨て可能」なシェアサイクルに比べると利便性は落ちるが、それでも短距離移動のニーズの80%を満たすことができるという。というのも、大部分のユーザーが移動手段を必要とする「ラストワンマイル(最後の1キロ)」は、バス停や地下鉄の駅から居住区の入口までの区間に集中しているからだ。
バランススクーターのシェアリングビジネスにおいて最大の障壁は政府の規制だ。「道路交通安全法実施条例」ではスケートボードやローラースケートなどの滑走具を公道で使用することを禁止しており、それに従えば電動キックボードや立ち乗り電動二輪車も路上で使用できないことになる。しかし徐廷昭氏は、バランススクーターのコアテクノロジーを他のタイプの設備にも活用すれば、政府の要求を満たしたモビリティを発表できるはずだと確信している。
騎酷科技は2017年にエンジェルラウンドで1000万元(約1億6000万円)を調達しており、現在はプレシリーズAで数千万元(数億円)の資金を調達中だ。(翻訳・畠中裕子)
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