次世代型超音波センサーの国産化を加速、車載半導体の中国新鋭メーカーが資金調達

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車載センサー向け半導体チップを手がけるスタートアップ企業「佑航科技(YOUHANG)」がこのほど、プレシリーズAで数千万元(数億円超)を調達した。出資者はアナログ半導体大手・思瑞浦微電子科技(3PEAK)傘下の芯陽基金(Xinyang Fund)。今回調達した資金は、超音波センサーなど車載センサー向け半導体チップの技術検証および量産に充てられる。

佑航科技は2021年設立。超音波センサーや雨滴感知センサー、衝突センサーなど各種車載センサー向けチップを開発・製造し、自動車メーカーの1次サプライヤー(ティア1)に提供している。

運転支援機能の高度化に伴い、超音波センサーは必要不可欠な車載機器となった。駐車支援システムや車線維持支援システムを実現するには、高性能な超音波センサーが欠かせない。

業界では現在、次世代型のAK2超音波センサーへの切り替えが進んでいる。対応するチップや超音波プローブについては基本的に海外企業の製品に頼っている状態のなか、佑航科技は国産品を提供できる数少ない2次サプライヤー(ティア2)のうちの1社となっている。

佑航科技が開発する超音波センサー

佑航科技は、超音波センサーの中核部品であるチップと超音波プローブを自社で開発・製造している。加えて、生産ラインを完全に自動化しているため、コスト面でも大きな強みを持っている。創業者の謝暁静氏によると、2024年上半期はコストを30%近く下げることに成功し、顧客のティア1企業が価格競争に勝ち抜いて自動車メーカーからより多くの受注を獲得できるよう後押しした。

同社はAK2超音波センサー向けチップのほか、低価格帯の車種向けに従来型のAK1超音波センサー向けチップも手がけている。謝氏は「ここ数年、中国製超音波センサーの販売台数が右肩上がりに増加しており、AK1超音波センサーの現在の国産化率は約60%、AK2超音波センサーの国産化率は約45%となっている」と述べた。

公式発表によると、同社の超音波プローブはすでに、提携先のティア1企業を通じて中国自動車大手の数十車種に搭載されている。また、AK2超音波センサー向けチップは既存顧客のテストに合格しており、2025年1〜3月期には小規模量産と納品が始まる。さらに、雨滴センサーなど各種センサー向けチップの納品開始も25年1〜3月期に予定されている。

同社は生産能力を拡大し、大量出荷に備えている。超音波プローブについては、すでに全自動の生産ライン6本を有しており、2024年上半期には1500万個を納品、通年の生産量は3000万個に達する見通しだ。

今後も、同社は晟泰克(SOFTEC)や輝創(WHETRON)、海康(HIKVISION)などティア1企業と引き続き提携し、中国自動車ブランドの海外進出と歩調を合わせてグローバル化を図っていく。また、韓国現代モービスや仏ヴァレオなどの世界的ティア1企業と共同で、海外向けの車載センサーを開発・量産し、グローバル市場をさらに拡大する方針だという。

*1元=約20円で計算しています。

(翻訳・田村広子)

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