「日本が大好き」ドバイ未来財団、日本への投資や大学・研究機関と協力強化を希望

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中東・アフリカ地域最大級のIT見本市「GITEX GLOBAL 2024」が10月14日〜18日にドバイ・ワールド・トレード・センター(DWTC)で開催されている。今年で44回目となるGITEX GLOBALは、180以上の国・地域から6500社の出展企業、1800社のスタートアップ企業、1200人の投資家が集結、来場者数は20万人が見込まれる世界屈指のテクノロジー展示会だ。

15日、GITEX GLOBALの特別記者会見で、ドバイ未来財団(Dubai Future Foundation, DFF)のカルファン・ベルフー(Khalfan Belhoul)CEOは、技術革新の中心地としてのドバイの役割を強調した上で、ドバイにおけるスタートアップ企業の育成とイノベーション・エコシステム構築の強化について意思表明をした。

ドバイ未来財団は、ドバイ政府が2016年に設立したイノベーションと未来テクノロジーの推進を目的とする政府組織。世界中の先端技術、未来予測、スマートシティ開発などに焦点を当て、持続可能な未来社会の実現に寄与することを目指している。同財団が運営する「未来博物館(Museum of the Future)」は、その奇抜な造形と、未来の技術や社会の在り方を探求する場として世界中から注目されている。

巨大な卵のような形のドバイ未来博物館

カルファン・ベルフー氏は、経済成長のために高度なスキルを持つ専門家を育成することの重要性も強調した。その実現に向けて、ドバイでは起業家が長期滞在ビザを取得しやすくなる「ゴールデンビザ」制度などの施策を通じて、グローバル人材を積極的に誘致していくという。

アジア地域に注目するドバイだが、特に中国市場への投資活動が目立っており、グリーンテクノロジーや再生可能エネルギー、電気自動車(EV)、電子商取引(Eコマース)、人工知能(AI)、ヘルスケアなどの分野に関心を示している。ドバイ商工会議所のモハマド・アリ・ラシッド・ルータCEOは今年8月に北京で開催されたドバイ・ビジネス・フォーラムにおいて、ドバイを拠点とする首長国の企業による中国市場への投資額は、2015年から2023年の間で約14億ドル(約2090億円)だと発表した。

観客が溢れた中国の空飛ぶクルマ(eVTOL)展示エリア

一方、日本市場をどう見ているかと質問を投げたところ、カルファン・ベルフー氏は「我々は日本が大好きだ」と微笑んで答えた。

ドバイ未来財団は、ドバイの未来をどう設計すべきかに関する政策立案を行っている。日本の先進的なスマートシティ技術や持続可能なインフラの経験は、ドバイの未来都市開発にも既に貢献している。カルファン・ベルフー氏は、日本の先進事例を多く見てきたため、それらを活用して未来の都市開発を進めていると述べた。また、日本の大学や研究機関との提携を強化し、特に投資面での協力関係の深化にも意欲を示した。

36Kr Japanの質問を答えるカルファン・ベルフーCEO

ドバイ未来財団は、2023年5月に日本科学技術振興機構(JST)と共同研究開発連携についての協力覚書(MOC)を締結した。その一環として、今年7月に大阪大学の石黒プロジェクトとドバイ未来財団が設立した研究機関であるドバイ未来研究所(DFL)は共同研究契約を締結した。石黒プロジェクトとは、2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現するため、サイボーグやアバターとして知られる一連の技術を高度に活用し、人の身体的能力、認知能力及び知覚能力を拡張するサイバネティック・アバター(CA)技術を、社会通念を踏まえながら研究開発を推進していくというものだ。実証実験をドバイで進めることに対して、JSTは「効率的で適した場所であるといえる」とした。

ドバイ国際商工会議所も日本・ドバイ間のビジネス拡大のため、23年11月15日に東京事務所を新たに開設。「今後はスタートアップの呼び込みなどに力を入れたい」と話した。

(36Kr Japan@GITEX GLOBAL 2024)

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