AMOLED用チップで中国首位の「Viewtrix」が香港上場へ 評価額1700億円、ファーウェイやクアルコムも出資

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ディスプレー用ドライバチップ大手の「雲英谷科技(Viewtrix Technology)」が6月26日、香港証券取引所に上場申請書を提出した。

これまでの出資者には、米クアルコムの中国法人、小米集団(シャオミ)傘下の湖北小米長江産業基金、華為技術(ファーウェイ)傘下の深圳哈勃科技、中国パネル最大手の京東方科技集団(BOE)などが名を連ねる。同社の評価額は2024年9月時点で83億元(約1700億円)に達していた。

雲英谷科技は2012年5月に設立され、主に2種類の製品を提供している。1つ目はハイエンドのスマートフォンに使用されるアクティブマトリクス型有機EL(AMOLED)ディスプレー用ドライバチップで、24年は売上高の9割以上を占めた。2つ目はAR(拡張現実)・VR(仮想現実)デバイスに用いられるマイクロOLEDディスプレー用のバックプレーンおよびドライバとなっている。

米フロスト&サリバンによると、雲英谷科技は中国本土で1位、世界でも5位のAMOLEDディスプレー用ドライバチップのサプライヤーで、市場シェア3.8%を占めている。また、2024年のマイクロOLED用バックプレーンおよびドライバーの販売量では世界2位で、市場シェア40.7%を占めた。

AMOLEDディスプレー用ドライバチップの中国本土シェア1位(表中の公司Cが「雲英谷科技」)
マイクロOLED用バックプレーンおよびドライバー世界シェア2位(表中の本公司が「雲英谷科技」)

雲英谷科技の2023年と24年の売上高はそれぞれ7億2000万元(約140億円)と8億9100万元(約180億円)、純損失はそれぞれ2億3200万元(約46億円)と24年が3億900万元(約62億円)だった。

同社は技術の先進性を維持した上で、より高性能、低消費電力、低コスト、高集積化、人工知能(AI)の最適化を目指して既存の製品や技術の改良を続け、より高品質かつ高効率なディスプレードライバを提供していく計画だという。現在は、AMOLED用のタッチコントローラとディスプレードライバを一体化したTDDIチップなども開発中で、製品の応用分野をスマホやAR・VRデバイスから、スマートウェアラブルデバイスやテレビ、タブレットPC、車載ディスプレーなどへと拡大していく予定で、今後も売上高が拡大していく可能性が非常に大きいとみられる。

*1元=約20円で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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