セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録
中国南西部に位置する雲南省紅河ハニ族イ族自治州弥勒市の工業パークでこのほど、日本企業のレクザムが7億元(約140億円)を投資する、年間生産量2万トンの食品・医薬品グレード酵母工場の建設が始まり、現在作業が急ピッチで進められている。
1960年設立の同社は、95年に中国に進出して以来、約30年同省で事業を展開してきた。木材製品加工、花卉栽培などから始まり、最終的にバイオ発酵産業へと次第に焦点を絞り、糖蜜を核とした産業チェーンの構築に注力してきている。
酵母の主要な原料は糖蜜で、酵母1トンを生産するのに糖蜜が約5トン必要となる。同社昆明事務所の賈燕坤駐在代表は、「雲南省は糖蜜資源が豊富でコストが低く、当社に安定的で持続可能な原料面での優位性を提供している。同時に、酵母生産により産業廃棄物の高付加価値利用が実現でき、経済的、環境的利益を兼ね備えている」と紹介した。
同社は中国での投資事業を開始して以来、合弁または独資、直接的または間接的に同省で企業10社以上に投資しており、同省での投資期間が長く、投資プロジェクトが多く、投資規模が大きい日本企業の一つとなっている。
同社は2014年、同省保山市に投資して、年間生産量5千トンの酵母生産ラインを建設、主に飼料用酵母製品を生産している。現在は主に中国の大手飼料グループ企業数社に加水分解酵母、セレン酵母などの製品を提供し、日本、東南アジア、欧州連合(EU)などの国・地域にも販売している。同社はこのプロジェクトの成功により中国での酵母産業の市場開拓に自信を深めた。
賈氏は「雲南省の原材料資源だけでなく、中国のますます開放的、包容的になるビジネス環境と、日々改善される工業基盤も魅力的だ」と補足した。同社は今年6月には、第9回中国・南アジア博覧会で弥勒市と協力協定を締結。総額7億元を投資し、地元に年間生産量2万トンの食品・医薬品用酵母工場を建設する計画で、うち第1期の5000トン分は27年初めに稼働予定となっている。
賈氏はまた、「新工場は完成すると、生産能力の規模、製品の種類、ソフト・ハードのレベルなど全ての面で保山市の旧工場に比べ大きくレベルアップする」と紹介。弥勒市新工場の全体計画では、同社は酵母生産過程で発生する有機廃水を二次利用し、肥効の高い有機肥料を生産することで、「サトウキビ-糖蜜-酵母-肥料」のグリーン(環境配慮型)循環を実現する。同モデルは、資源利用効率を高めるだけでなく、地元農業の品質、効率向上も後押しし、農村振興に新たな原動力を提供する。
中国の改革開放への決意は、外資企業の中国での投資に自信を与えている。中国に進出した日系企業などが加盟する中国日本商会の調査報告によると、アンケートに回答した企業の半数以上が今年、中国への投資を「増加」または「維持」すると答えている。
賈氏は「雲南省の製糖関連資源を健康製品に変え、世界の消費者に役立てたい」と語り、同社は今後、同省の豊富な生物資源を基盤とし、自社の技術の蓄積と外部の最先端技術の導入を通じて、製品開発面で絶えず飛躍を実現すると自信を見せた。【新華社昆明】
セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録