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米IT専門調査会社IDCが8日発表した最新の「タブレットPC四半期フォローレポート」によると、2019年第3四半期(7~9月)の中国のタブレット出荷台数は約567万台だった。うちファーウェイ(華為技術)の出荷台数は前年同期比24.4%増の約212万台、シェア37.4%で初めてトップに立った。第2~5位は順に、アップルの192万台、シャオミ(小米科技)の34万台、レノボ(聯想)の23万台、マイクロソフトの14万台となっている。
レポートによると、第3四半期はタブレットPC市場は成長を持続したものの、増加率はわずか1.4%に縮小した。ファーウェイは今年6月にリリースした新フラッグシップモデル「M6」シリーズのパフォーマンスが良く、増加トレンドを保った。ファーウェイ「M6 10.8インチ」は、発売から5分足らずで販売台数が3万台を超え、1時間後に売り上げが1億元(約15億円)を突破。ファーウェイは、新フラッグシップモデルの貢献と全ての価格帯を網羅する製品ラインナップでアップルによるタブレット市場の独占状態を打ち破った。
アップルの第3四半期の出荷台数は前年同期比12.2%増の約192万台、シェアは33.8%だった。「iPad mini」と「iPad air」は依然として人気が高く、安定した出荷台数を維持。今年秋にアクセシビリティのためにマウス機能がiPadOSに導入され、iPadは生産性と娯楽性を兼ね備えることとなった。IDCは、iPadの2019年出荷ピークと年末の販売促進期を迎え、第4四半期(10~12月)にアップルが力を発揮すると予測している。
一方、二大ブランドの挟み撃ちによって他社は次々と調子を落としている。
中国のタブレットPC消費市場ではファーウェイとアップルが8割のシェアを占め、ブランドの集中化がさらに進んだ。シャオミは出荷台数が前年同期比47.4%減の約34万台、レノボは15.9%減の23万台。トップブランドとの格差がますます広がると同時に、大画面スマホや超薄型PCの影響を受け、製品の生き残る余地も縮小している。
しかし、世界に目を向けると、ファーウェイは国内ではiPadの厚い壁を打ち破ったが、グローバル市場の実績では見劣りする。
米調査会社Strategy Analyticsが発表した最新のタブレットPC市場調査レポートによると、2019年第3四半期の世界タブレットPC出荷台数は前年同期比4%減の3820万台だった。アップルのiPadは依然として力強いパフォーマンスをみせており、出荷台数は前年同期比で4%増え、シェアは第2位と第3位の合計と同等だ。アマゾンとサムスンはそれぞれ第2位、3位で、それに続くファーウェイはパフォーマンスが悪く、出荷台数が18%の大幅減となった。
発売がうわさされている「iPad Pro」の新モデルはトリプルレンズで新たに背面3Dセンサーカメラが搭載され、2020年の年初にリリースされる見通しだ。公開された外観が似ていることからパンチホール版iPad Proと呼ばれるファーウェイの新型タブレットPCについても、海外メディアが来年初めの発売を予測している。
ファーウェイの台頭によって、1社が飛び抜けていた中国のタブレットPC市場は両雄が相争う状態となった。ファーウェイとアップルは今後激しく競い合い、戦火も勢いを増すとみられる。だが海外市場では、ファーウェイはかなり長い冬を過ごさなければならないだろう。
(翻訳・神戸三四郎)
※冒頭写真はHuawei公式サイトより
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