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スタートアップやIT業界に特化した中国の最大級メディア「36Kr」は11月26、27日の両日、北京国際会議中心(China National Convention Center)で「2019WISE 新商業大会」を開催した。同イベントは中国ニューエコノミー領域ではもっとも盛大なカンファレンスとして今年で7年目を迎えた。
同イベントではFacebookのシンガポールオフィス所属でグレーターチャイナエリア事業展開責任者の陳震氏が登壇し、中国企業の海外進出における潜在的なチャンスとFacebookが果たす役割について語った。以下はその抄訳。
Facebookグレーターチャイナエリア事業展開チームは、中国の顧客の海外進出を支援している。
中国企業の海外進出の前途は明るい。だが現在、海外進出を考える中国企業、とくに電子商取引(EC)事業者は、相変わらず広告費の7割を北米に投入している。取扱商品も女性用衣料と3C電子機器(パソコン、通信機器、家電製品)に集中している。各社がともに同じ市場と商品に集中すれば、そこはレッドオーシャンにならざるを得ない。ではブルーオーシャンはどこにあるのか?
われわれが見いだした三つのチャンスをみなさんと共有したい。一つ目は新たな市場。二つ目は進出する市場への理解。三つ目は品目の選択だ。
まず新たな市場について話したい。海外市場開拓を狙う中国のEC企業の7割が北米地域に資本を投じている。一方、Facebookは広告費の約4割を北米地域に充てているが、残りの大部分はその他の市場に投じている。英語圏の中では、米国よりもカナダや英国の転換率(CVR)が高く、コストや競争率も低くすむ。その他の英語圏の国への進出を検討するのもいいだろう。欧州市場も注目に値する。いくつかの国のサプライチェーンは中国と近い関係にあるからだ。さらに上のレベルを目指すなら、中東市場を検討してもいいだろう。
Facebookの広告アカウントを持てば、広告管理ツールを通じて各種のデータを閲覧できる他、どの市場に向けて広告を出すべきかアドバイスが受けられる。同時にこのツールはわれわれが7つの市場で1万人以上のユーザーから得たデータをもとに、世界各国の市場の特徴も提供している。以下にその中で特徴的な事例を紹介する。
1)中国の事業者による取り扱いが最も多く、売れ行きも良い商品としては衣料品が圧倒的第1位で、スマートフォンアクセサリー、オーディオアクセサリー、玩具がそれに続く。
2)インドやインドネシアでは、これらの品目について、中国産製品よりも外国製品のほうが高品質であることなどを理由に国外事業者からの購入が選択される。
3)取引1回当たりの客単価は、進出市場選択の決め手になるだろう。品目の選択や予算、広告投入の範囲も検討課題になる。品目別で見ると、スポーツ用品や電子製品の平均客単価が最も高い。国別で見ると、これらの品目の人気が高いサウジアラビアは、平均客単価も極めて高くなっている。
4)配送に対する期待度も国や品目で異なる。中国では一般に、配送料が有料なら、ユーザーは1週間以内の商品受け取りを希望する。しかし、パキスタンでは配送料の有無に関わらず、スピーディーな配送をさほど求められない。インドとインドネシアでは極めてスピーディーな配送が求められる。品目別で見ると、ベビー用品やスポーツ用品については、スピーディーな配送へのニーズが非常に高い。
Facebook 傘下のInstagramのトラフィックプラットフォームからは、今年話題になったネットインフルエンサーに対する各国の見方も知ることができる。米国やメキシコではインフルエンサーを信用しない傾向がある。インドネシアやパキスタンでは、地元と海外のインフルエンサーに対する信用度に大きな差はない。インドとサウジアラビアでは、地元の言語を話すインフルエンサーが好まれている。広告制作において出演者を選ぶ際には、こうした事情にも着目してほしい。
最後に取り扱い品目の選択について話したい。中国は製造大国だ。浙江省の科学教育産業地帯や河南省許昌市のかつら産業地帯のような独特の産業地帯が各地に数多くある。オーダーメード化や高客単価、高需要が見込める市場を選択し、これら中国の産業地帯と結びつけてほしい。これが取扱い品目の選択につながるはずだ。
海外進出には、さらに非常に多くの潜在的なチャンスがある。Facebookは中国で、地元パートナーと共にこの市場を形成していきたいと強く願っている。われわれは中国の公式代理店9社および輸出やマーケティングに関するパートナーと共に、海外進出を目指す顧客にサービスを提供している。また、中国の公式サービス提携パートナーを通じて、サイトの立ち上げ、ゲームリリース、研究レポート、B2Bなど顧客の多様なニーズに対応している。
Facebookは引き続き、次の三つの条件を兼ね備えたパートナーを拡充していく。一つ目の条件は、集客力があり、より多くのユーザーをFacebook広告に誘導できること。二つ目は、広告を最適化し、海外でメディアバイイングができること。三つ目は、付加価値をもたらしてくれることだ。このような条件を持つプラットフォームがあれば、ぜひビジネス提携を検討したい。
(翻訳・田村広子)
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