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米国現地時間9月22日午後、テスラの株主総会兼「バッテリ・デー」イベントが行われた。イーロン・マスクCEOはその場で、テスラの販売価格をさらに下げ、3年以内に2.5万ドル(約260万円)のBEV(バッテリー電気自動車)を発売し、総生産台数を2000万台とするという目標を掲げた。それを実現するための中心的戦略が、バッテリーの自社生産である。
テスラのバッテリーの実力
コンピューターや製造業と異なり、バッテリーの技術革新スピードは遅く、革命を起こし続けてきたテスラもこの分野では目新しい技術はない。同社が開発中の電池は、プラス極とマイナス極の材料、製造プロセス、バッテリーのサイズ、モジュール、バッテリーパックの設計という面で工夫をしたものであり、そのことにより性能の向上を実現している。
このような改良によって、テスラはバッテリーの航続距離を54%伸ばし、コストを56%減少させることができたと強調する。グラフで示されたコストの変化を見る限り、減少が加速度的に進んでいることがわかり、さらなるコスト低下が期待できる。2.5万ドル(約260万円)のBEVはこれらの改良により可能となるのである。
2030年を展望するテスラ
3年後に総生産台数2000万台を目指すテスラは、上海工場に大きな期待を寄せており、現在の年間生産15万台から、年間100万台にまで増やすことを計画している。ベルリンの工場も建設中で、同等の生産能力を持つという。
そうなれば、必要な電力はGWh(ギガワット時)ではなく、その1000倍のTWh(テラワット時)級になるだろう。テスラの試算によれば、パナソニック、LG、「寧徳時代(CATL)」からの調達だけでは足りず、2022年に100GWhのバッテリーを、2030年には3TWh(3000GWh)のものを自社生産する必要があるという。
コスト抑制に向け開発を進めるテスラ
バッテリーを自社生産するのは、単に十分な量を確保できないからではない。現在のBEV市場を見る限り、テスラはさらに値下げしなければ、シェアを確保できないのである。中国での生産により、中国国内でのテスラ車の最安値は37万元(約560万円)から27万元(約400万円)に下がった。一方欧州では、現地生産ができないため、今年7〜8月のテスラの販売台数は前年同期比で70%も減少した。
値下げすれば利益率が低くなるため、テスラは車両のコストをさらに下げる努力をするだろう。現在主流の三元系ポリマーリチウム電池のコストは、1キロワット時0.7元(約10円)に下がったが、それでもテスラは提携先のパナソニックなどに対し、コストを20〜30%を下げてほしいと要請している。
バッテリー以外での努力も続いている。テスラは工場の自動化を進め、量産車のModel Yでは大型の鋳造パーツを使い、生産プロセスの簡略化に努めた。ほかにも、自動運転のアルゴリズムを一新するなど、テスラ車の魅力の向上に余念がない。
「テスラのコア・コンピタンスは製造技術、エンジニアリング、ソフトウェアにある」と語ったマスク氏は、先端技術としてのスマート化を進めると同時に、BEVのコストをも下げるという野心を包み隠さずに表明した。世界を持続可能なものにするという同社のビジョンは、より加速度的に進められているように見える。
(翻訳:小六)
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