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海外向けにB2C取引のオウンドサイトを開設したい企業に対し技術支援を行う中国企業「Shoplazza店匠」が、最新シリーズで1000万ドル(約10億5000万円)以上を調達した。出資者は既存株主の「雲九資本(Sky9 Capital)」、「セコイアキャピタルチャイナ(紅杉資本中国基金)」のほか、「前海母基金(QIANHAI FOF)」、「磐晟資産(PANTHEON ASSET)」。「義柏資本(100Summit Partners)」が単独でフィナンシャルアドバイザリ―を務めた。
Shoplazzaの事業は、SaaSを介して顧客企業のサイト構築や海外マーケティング、ブランドマネジメントを支援するものだ。過去2年の間に同社のSaaSは取引規模、収入、顧客数などにおいて安定運営できる体制を整え、大手から中堅どころ、あるいは専門カテゴリーに特化したEコマース企業を顧客として取り込み、彼らの高いニーズに応えられるようになった。
同社が設立当初にベンチマークと定めたのは、すでに設立12年の歴史を誇り、ニューヨーク市場へ上場も果たしているカナダの「Shopify」だ。3年後の現在、Shoplazzaは顧客からの高評価と口コミによって顧客数を伸ばしてきており、そのうち90%はShopifyからの乗り換え組となっている。
ShoplazzaはShopifyを目標にすると同時に、Shopifyとの差別化も図っている。
カナダ企業であるShopifyにとっては、刻々と変化する中国の顧客のニーズに応える術がない。一方、Shoplazzaはビッグデータを駆使して顧客のリスクマネジメントをサポートできるうえ、中国国内で顧客とシームレスにコミュニケーションを図れるため、中国企業が抱く最新のニーズをキャッチし、これに素早く対応できる。同様のサービスを提供する海外企業は現地取引に特化しているが、Shoplazzaは中国と海外をつなぐ越境ビジネスにより重点を置いている。
中国国内で越境コマースを取り扱うプラットフォームは少なくないが、顧客の出店先によって消費習慣が異なるため、各企業は対象エリアごとに棲み分けを図っている状況だ。Shoplazzaは欧米市場に特化している。
リサーチ機関「前瞻産業研究院(Qianzhan Industry Research Institute)」のデータによると、中国における2020年の越境コマースの取引規模は12兆7000億元(約198兆7000億円)に達する見込みだ。
Shoplazzaが差別化路線を進め、市場での地位を築くことができた理由は製品体験にある。
李俊峰CEOは、法人向けSaaSは顧客の抱える課題を真に解決することを重視すべきだとした。CRM(顧客関係管理)市場を例に取れば、市場に流通する製品の7~8割が同じ機能を有しているが、顧客が製品を選ぶ決定打になる要素は、彼らが携わる業界や消費者の特徴に沿ったものであるかどうかという点であり、彼らの課題を直接解決できるものであればベストだ。越境コマースの世界でもこれは同じだ。
Shoplazzaは今回調達した資金を主にR&Dや人材採用に充て、製品技術におけるコアコンピタンスを確立し、インフラ面でも専門性を強化していく。具体的には取引に関わるアルゴリズムを効率化し、クラウドを経由した欧米間との取引における並行処理能力や取引の安全性を高めていく。さらに顧客の店舗運営に関わる部分では、商品のレコメンデーションアルゴリズムを向上させるという。(翻訳・愛玉)
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