経済価値が100兆ドル超える小惑星、宇宙資源開発を目指す中日米英の有力スタートアップ

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人類はこれまでに75万個の小惑星を発見している。NASAが2016年9月に発表したリポートによると、経済価値が100兆ドル(約1京円)を超える既知の小惑星は711個に上るという。

近年の技術向上によって、業界内では直径30m以上でプラチナ含有量が豊富な小惑星であれば採掘の採算が合うと考えられている。金属含有の確率と相対速度をもとに採掘の実行可能性を試算すると、現在10個の小惑星が採掘対象になるとされ、米国と日本がそれぞれ目標天体とする「ベンヌ」「りゅうぐう」もこれに含まれる。

7垓ドル(約735垓円)の価値が見込まれる小惑星「16 Psyche(プシケ)」、
世界の人口1人当たり930億ドル(約9兆8000億円)に相当 画像:起源太空、NASA

宇宙資源開発を目指す世界の有力スタートアップを紹介する。

米国:First Mode、トランス・アストロノーティカ、ムーン・エクスプレス

「First Mode」は2018年、小惑星探査のプラネタリー・リソーシズを退職したエンジニア11人によって米シアトルで設立され、宇宙資源開発だけでなく、地球でのクリーンテクノロジーや農業、石油・天然ガス開発などを手掛ける。宇宙と地球に関する数多くの業務を受注し、NASAと火星探査機や月面車の開発で提携したほか、鉱業企業のアングロ・アメリカンとは1350万ドル(約14億2000万円)で環境保護システムおよび技術を共同開発する契約を結んだ。現在、First Modeは黒字となっている。

「トランス・アストロノーティカ(Trans Astronautica)」は宇宙産業が発展している米ヒューストンで設立された。同社のウェブサイトには、宇宙機推進から放射シールド、宇宙探査から月採鉱に関する採算性やテクノロジー・ロードマップ、プランが細かく記されている。現在はAPISと呼ばれる飛行システムの開発に力を注いでおり、NASAの革新的な宇宙技術概念の研究に対する資金提供プログラムNIACの対象となった。

APIS飛行システムの概要 画像:トランス・アストロノーティカ

まだ時間がかかりそうな小惑星の採鉱に比べると、月面探査は実現する可能性が高い。2010年にシリコンバレーで設立され、月面探査を目指す「ムーン・エクスプレス(Moon Express)」は2016年、宇宙機を月に送ることが米国政府から初めて承認された企業だ。2018年末には1250万ドル(約13億1000万円)を調達している。

日本:ispace

2010年に設立された日本のispaceは、ムーン・エクスプレスと同じく月面探査を目指しているが、まだ宇宙プロジェクトの軌道上検証を完了しておらず、地球で技術を蓄積した後、一気に月面探査を行いたいと考えている。

同社は2017年開始のシリーズAで計103億5000万円を調達後、二度にわたり月面着陸計画を延期したが、シリーズBでさらに30億円を調達している。

Hakuto-R月面着陸機 画像:ispace

英国:Asteroid Mining Corporation

英国で最初かつ唯一の小惑星採掘企業「Asteroid Mining」は2016年に当時21歳の大学生Hunter Scullion氏が設立した。

同社は2022年の小惑星探査衛星APS-1打ち上げを計画。当初予算は4万ドル(約420万円)だったが、Hunter Scullion氏は英クラウドファンディングプラットフォーム「Crowdcube」で同プロジェクトを公表し、23万ポンド(約3150万円)の調達を目指した。ASP-1は5千個の地球近傍小惑星についてスペクトル分析およびデータ収集を行い、そのデータを販売することで後続プロジェクトの資金を作ろうとしている。

APS-1の作業イメージ 画像:Asteroid Mining

中国:起源太空

「起源太空(Origin.Space)」は中国初の紫外線波長域商業衛星と世界初のX線観測衛星を打ち上げた。今年11月にはNEO-01宇宙採鉱ロボットを打ち上げ、飛翔体の軌道検証・表示、小天体の捕捉、飛翔体の認識・コントロールを行う計画だ。実現すれば、世界初の民間企業が製造する宇宙採鉱ロボットとなり、宇宙の資源開発にとって大きな意義を持つ。

また、2021年末にも月近傍探査機NEO 2号の打ち上げを計画している。このまま行けば、同社は月近傍探査を行い、採鉱設備を配置する世界初の民間企業となる見通しだ。

同社は昨年、エンジェルラウンドで「経緯中国(Matrix Partners China)」から、エンジェルプラスラウンドで「線性資本(Linear Capital)」から計5000万元(約7億8000万円)を調達した。

起源太空のX線探査衛星 画像:起源太空

(翻訳・神戸三四郎)

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