日米にも進出した中国VRゴーグル「LUCI」、映画館の臨場感を誇る超軽量製品を発売

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日米にも進出した中国VRゴーグル「LUCI」、映画館の臨場感を誇る超軽量製品を発売

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ここ数年の発展を経て、VR産業で生き残った各社のビジネスモデルが少しずつ明らかになってきた。その中に、VRゴーグルの開発、VR関連のアプリケーションの開発、コンテンツ製作などがある。VRゴーグル開発においては、注目されている企業の一つが、2019年に高解像度のデバイスを発表した「露曦科技(LUCI)」だ。

超軽量の高解像度VRゴーグル

LUCIは2015年に北京で設立され、現在米国、日本にも事務所を持つ。同社は設立と同時にプロトタイプを発表し、2019年に正式に映画館と同等のレベルを誇るVRゴーグル「immers」を発売した。

immersの画像

immersの本体の厚さは47mm、重さはわずか180gである。ディスプレイは1023インチ相当であり、視野角は70度。4K画質で3174ppiの解像度を誇る。ImmersはUSB Type-Cでパソコン、スマートフォン、PS4などと接続することができ、これらの端末に保存されたコンテンツをそのまま視聴できる。

LUCIは、VRゴーグルのほかにも中国におけるコンテンツのオンライン配信ライセンスを取得しており、自社のプラットフォームで4000点以上、計1万時間以上の映像コンテンツを配信している。

市場調査報告によると、中国のVRの潜在的ユーザーは2億8600人に上り、その多くが自宅で映画館のような体験をしたいと答えている。そのため、動画配信プラットフォームの愛奇芸(iQiyi)、ファーウェイ(華為)、「シャオミ(小米)」、HTCなどもVRゴーグルを発表している。

しかし、これらの製品スペックはミドルレンジが中心で、愛奇芸が5000元(約8万円)以上のハイスペックを発売している以外は、すべてが3000元(約5万円)台であり、解像度は1000ppi前後である。

それに対し、LUCIはハイスペック路線を突き進んでおり、よりよい映像と没入感のためにお金を惜しまないヘビーユーザーを対象としている。Immersの初代製品は、比較的低スペックのlite版でも5688元(約9万円)となっている。

VR産業の成長を待つLUCI

LUCIがこれだけの性能を実現できたのは、設立以来、技術開発に専念してきたためである。3〜4年前のVRブームのときには、多くの企業がこの分野に参入したが、LUCIは川上産業の部品開発、川下産業のコンテンツがともに不十分であると判断し、開発に集中する戦略を選択した。そのかいあって、ハード、システム、プラットフォームなどにおいて特許を持つに至っている。

そして、VR産業チェーンは、LUCIが必要とするレベルのマイクロ有機ELディスプレイを量産することができるようになった。コストはまだ高いが、十分商品として手の届くものである。

また、5Gの実用化で、VRコンテンツを配信するのに必要なインフラも整ってきた。VRデバイスで動画を演算するためのクラウドコンピューティング、エッジコンピューティング技術も進んでいる。そのため、LUCIはこのタイミングでVRゴーグルを発売することにしたのである。

今後の開発路線

この5年間は、LUCIが大手各社との関係を深めるのに必要な時期でもあった。現在同社は、中国聯通(チャイナユニコム)、インテル、ベンツ、ノキア、スマホ大手のOPPOと提携しており、VRソリューションの提供などを行っている。

今後のLUCIは、ソフト・ハードの両面で開発を進める予定である。コンテンツやソフトウェアについては、外部のパートナーとともに開発し、ハードは自社で行う。次世代の製品のほか、エントリーモデル、ミドルレンジモデルも揃える予定である。

開発中の次世代製品について、LUCIはまだ詳細を明かせないとした上で、臨場感、視野角、フレームレートで大きく改善されるとした。使用シーンとしては、映画のほか、ゲーム、医療現場、教育現場を想定している。(翻訳:小六)


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