年間最大ECセール「双11」開催間近、アリババの時価総額が史上最高値を更新

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アリババは10月20日に、今年のECセール「双11(ダブルイレブン)」を正式に発表した。今回は、「新たな『ビジネスOS』に基づくダブルイレブン」とし、これまで最多の1400万点の割引商品を発表した。また、このOSを使えば、最高の速さで商品を配達できるとしている。また、アリペイも初めて生活関連サービスプラットフォームとしてダブルイレブンに参加した。

この発表の当日、アリババの香港、米国での時価総額はともに史上最高を更新。ライバル各社との差をさらに広げた格好だ。

「ビジネスOS」とは

この発表で言及した「ビジネスOS」は、販売管理、マーケティング、ブランディング、商品管理、チャネル管理、製造管理、ファイナンス、物流、サプライチェーン、組織管理、情報技術など、多岐にわたる機能を含む。

つまり、ビジネスOSはアリババが作り上げたデジタル・エコノミーのためのインフラだと言うことができる。このインフラがあれば、ECにかかる物流、小売、生産や、システム開発をすべてアリババのエコシステム内で行うことができる。

このビジネスOSを構築できたのは、アリババがクラウドコンピューティングに長年投資をしてきたためである。現在、クラウドコンピューティングはアリババ・グループの売上高の8%を占め、前年比60%の成長を記録し、同グループの各事業のなかで、成長が最も著しい分野となった。

ビッグデータやクラウドコンピューティングをもとに構築したプラットフォームはほかにも多数あるが、ユーザー数と客単価でアリババと比肩できるものはなく、そのため、アリババほど正確なアルゴリズムを実現することができない。消費者や中小企業にとって、現時点ではアリババのサービスがもっとも効率がよいのである。

中国のクラウドサービスの現状

アリババの言うビジネスOSは「IaaS(Infrastructure as a Service)」、「PaaS(Platform as a Service)」、「SaaS(Software as a Service)」の3つに分けることができる。IaaSはクラウドサーバー、クラウド・ストレージなどの基盤となるサービスで、PaaSはクラウド上でのアプリケーションやソリューションである。

各社のクラウドサービスの成長を振り返ると、IaaSからスタートし、技術の蓄積をしてからPaaSにシフトするのが一般的である。海外のオラクル、Google、Microsoftとも、PaaSの比率が高い。

中国国内と海外のクラウドサービスを比較すると、中国国内のものはまだ遅れているのが現状である。「中泰証券(Zhongtai Securities)」のレポートでは、海外と5年の差があるとしている。そのなかで、アリババは「クラウド2.0」を宣言し、IaaSからPaaSへと進み始めている。

成長が待たれる中国のクラウドサービスだが、市場規模は膨大だ。調査会社「IDC」によると、2020年第1四半期の中国のパブリック・クラウドの市場規模は39.2億ドル(約4000億円)で、IaaSとPaaS合わせて前年比で58.7%成長した。シェアのトップ5はアリババ・クラウド、テンセントの「テンセント・クラウド」、ファーウェイの「ファーウェイ・クラウド」、「中国電信(チャイナテレコム)」の「天翼雲(e cloud)」、アマゾンのAWSである。この5社で77.5%のシェアを占める。

ITコンサルティングの「Gartner」の予測によれば、2022年の全世界のクラウドコンピューティングの市場規模は2700億ドル(約28兆円)であり、中国は世界平均よりも早く成長するという。中国の政府系シンクタンク「中国信息通信研究院(CAICT)」の予測では、2022年の中国のパブリック・クラウドの市場規模は1171億元(約1兆8000億円)、プライベート・クラウドの市場規模は1172億元(約1兆8000億円)となる。

市場規模の予測

アリババのビジネスOSの強み

米国のテック企業が手掛けるクラウドサービスは、有力なプラットフォームやOSから出発し、様々なリソースを集約しているものが多い。マイクロソフト、グーグルどがそうである。

それに対し、アリババは企業間の電子商取引を仲介するプラットフォームとしてスタートした点では独特だが、その後は決済サービス、物流サービス、ビジネスツールなどで、小売に関わるまとまったエコシステムを作り上げるに至った。このエコシステムは拡大を続け、今年のダブルイレブンにアリペイが加わったことがそれを象徴している。これまで決済機能、金融サービスが中心だったアリペイを通して、ユーザーの半径3〜5キロ内の生活関連サービスをも、ビジネスOSの守備範囲内に納めようとしているのである。

小売は商流が複雑なため、デジタル化によるコスト抑制効果が顕著で、売上高の増加にも繋がりやすい。その分野で率先して完備されたエコシステムを作ったアリババは、今や逆に小売のビジネスモデルを左右できるほどの力を持つ。したがって、アリババに挑もうとする企業は多いが、本当の意味で挑戦者になれる企業は、ほとんどないと言っていい。

(翻訳:小六)

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