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音声認識ユニコーン「雲知声」、科創板上場に向け目論見書を提出 3年半で約130億円の赤字

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IoTソリューションを提供する「雲知声智能科技(Unisound AI Technology)」(以下、雲知声)は11月3日、上海のハイテク企業向け市場「科創板(スターマーケット )」上場に向け正式に目論見書を提出した。

同社は2012年創業からすでに合計8回、推定12億ドル(約1260億円)を調達している。

大手不動産デベロッパー傘下の「恒大研究院(EVERGRANDE RESEARCH INSTITUTE)」が発表した「中国ユニコーン報告書2019」では、同社は企業価値12億ドル(約1260億円)でユニコーンと定義された。

3年半で損失130億円

目論見書によると、2017年~2019年の同社の売上高は約6114万元(約9億7000万円)、1億9700万元(約31億円)、2億1900万元(約35億円)で、純損失はそれぞれ1億7300万元(約27億円)、2億1300万元(約34億円)および2億7900万元(約44億円)だった。2020年上半期は売上高が約8469万元(約13億円)、純損失は1億600万元(約17億円)となった。

赤字は3年半で7億9000万元(約125億円)に達した。さらにコロナが財務面に大きく影を落とし、2020年第1四半期の売上高は前年同期比で46.44%減少した。キャッシュフローに至ってはさらに深刻だ。

目論見書によると、営業活動によるキャッシュフローはマイナスが続いているうえ、2017~2019年流出額が増加し2019年には3億4000万元(約54億円)に達した。

在庫金額は2020年上半期だけで昨年より926万元(約1億5000万円)増加した。

長期的な損失、過大な売掛金はAI関連企業の悩みで、雲知声は研究開発の方向性、製品の位置付けを誤れば大きなリスクになる。

売上高相当の研究開発費

雲知声は研究開発に多額の資金を投じている。

目論見書によると、研究開発費の累計が売上高の累計に占める割合は107.4%で業界平均より高く増加スピードも速い。

2017年の研究開発費は約1億元(約16億円)で、売上高に占める割合は163.55%だった。2019年には同117.78%の2億5800万元(約40億円)に達している。研究開発費の内訳は主に人件費と技術サービス料だ。

2020年上半期、325人いる開発者の1人当たりの給与は17万4300元(約28万円)だった。

目論見書には2020年6月末時点で進行中のプロジェクトが列挙されており、以下のように主にクラウド、エッジコンピューティング、端末に集中している。

・AIOSサービスのオープンプラットフォーム。主にスマートモビリティ、スマートエデュケーション、スマートホームなどに応用。

・IoTやAI向けアクセラレーターおよびチップの開発。主にスマートホームなど双方向でのシーンや製品に応用。

・自動車向けAI音声認識チップの開発と設計のほか、クラウド、端末、チップの一体型ソリューションを提供。

同社はさらに、AI専用チップにも巨額の資金を投じている。

調達予定の約9億1200万元(約150億円)のうち、3億1700万元(約50億円)をエッジコンピューティング向けのAIチップ開発プラットフォームに投じ、3年かけて構築する予定だ。

現在、雲知声の三大業務はスマート音声インタラクション関連製品、IoTソリューション、AI技術サービスだ。

主な収入源はIoTソリューションで、主にホテル、住宅地、住宅、病院に提供している。

スマート音声インタラクション製品は主にソフトとハードを一体で納入するが、雲知声自身はハードウエアを生産せずOEM、ODMであるため製品の品質管理にリスクが伴う。

流動的な取引先

同社公式サイトの「パートナー」欄にはチャイナテレコム(中国電信)、インテル、レノボグループ(聯想集団)、クアルコムなど有名企業が並ぶ。

しかし、目論見書の五大取引先には公式サイト上のパートナーは見当たらない。同社は、スマート製品単品のサプライヤーからIoTソリューションプロバイダーに転身する過程で毎年の主要顧客やサプライヤーにも変化があったと説明する。

2020年上半期の大口顧客トップ5は不動産開発、医療分野に集中しているが、不動産へのソリューションの利用や効果については今後も様子見の必要がある。

雲知声は激しい競争の下で方針転換をしてきたが、AI業界は不確実性が高い。赤字が続く中でなお大きな試練に直面している。

(翻訳・二胡)

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