「餓了麼(ウーラマ、Ele.me)」が20億ドルの資金調達を検討中、ライバルの美団グループを意識か
更新
フードデリバリーシステムのテコ入れに数十億元を投資すると発表したばかりの「餓了麼(ウーラマ、Ele.me)」が、またも資金調達を行うというニュースが入ってきた。
彭博社の報道によれば、餓了麼は現在20億ドル(約2200億円)の資金調達を模索しているとのこと。それを受け、36Krでも事実確認のために取材を申し込んだが、餓了麼側は「コメントは差し控えます」とのことだった。もしこのニュースが事実であれば、餓了麼は阿里巴巴集団(アリババグループ)への加入後初の資金調達ということになる。
餓了麼の創始者であり、前CEOの張旭豪は以前、「企業の発展は潤沢な資本金があって初めて可能なものであり、資金があれば市場シェアの獲得も迅速に行うことができる。特にインターネット関連の業界では、日々資金繰りに頭を悩ませていてはいずれ必ず市場から淘汰されてしまう」と述べていた。今回の資金調達は餓了麼がより多くの市場シェアを獲得し、阿里巴巴(アリババ)と共にニューリテール(オンラインとオフラインの融合)戦略を進めていくための必要措置といえるかもしれない。
ある投資家の分析によると「餓了麼の資本金が増えれば、業種の異なる事業を買い取り、より資産規模を大きくすることも可能となるだろう。たとえば、娯楽や不動産業界などと異業間連携を行うことなどもできるかもしれない」とのこと。餓了麼が学ぶべき対象は依然として美団(meituan.com)で、飲食・娯楽をすべてカバーできれば、先のシナリオはすばらしいものとなるだろう。
「香港証券取引所は『同股同権(株式の権利内容が異なる種類株の発行)』を認めているし、将来阿里巴巴は餓了麼を独立して上場させるかもしれません。もしくは海外市場やCDR形式での上場も視野に入れていることも考えられます。経営権がアリババの手中にありさえすればいいわけですから」と先の投資家は言う。阿里巴巴に買収されてもなお餓了麼が新たに資金調達をするということからは、株式会社化して上場しやすいように準備をしている可能性も考えられる。
「あらゆる場面で市場シェア率についてのシナリオを語ることは資本価値を定めるには都合がよく、将来的に二級市場においては価値を上げられる。また、同時にあらゆる場面で産業連携が進めば、将来新業態に進出した際の顧客獲得コストを下げることにもつながるだろう」とこの投資家は分析する。
餓了麼は2008年の創立から10年となる。公開されている資料によると、2018年4月の時点、阿里巴巴から95億ドル(約1兆円)で買収される前までに全部で9度の資金調達を行っている。投資者はマーケット界の大御所ばかりだ。金沙江創投(GSRベンチャーズ)、経緯中国(マトリックス・パートナーズ・チャイナ)、紅杉資本(セコイア・キャピタル)、阿里巴巴、蚂蚁金服(アント・フィナンシャルサービス)などから調達した資金は少なくとも23億ドル(約2500億円)にものぼる。

2017年5月、餓了麼は阿里巴巴を通じて億(人民元)単位の資金調達を行ったが、これに対する当時の業界での見方としては,餓了麼の上場はもうまもなくだろうというものだった。さらに、2017年8月末に餓了麼が正式に「百度(バイドゥ)デリバリー」を買収したことでその見方はより強固なものとなった。餓了麼としても創業10周年ということもあり、2018年には上場する考えをみせていた。
しかしながらその半年後、餓了麼が95億ドル(約1兆円)で阿里巴巴に買収されるというニュースが出ることとなる。
ここで注目すべきニュースがもうひとつ。2018年5月8日に百度がアメリカ証券取引委員会に送った文書が示す内容である。百度はすでに阿里巴巴と正式に協議書に署名、百度は百度香港で所持していた餓了麼の株式を阿里巴巴傘下の100%子会社AliPaniniInvestmentHoldingLimited(AliPanini投資有限会社)に4.88億ドル(約540億円)で譲渡したというものだ。
餓了麼はこれに対して公式にコメントは差し控えるとしている。