AIによる消化器内視鏡補助診断を可能「WisionA.I.」を検証
主な提起
1.なぜ消化器の内視鏡映像で補助診断をする必要があるのか。マーケティング的にはどの位の規模なのか。
2.技術的な問題点はあるか。
3.どのように技術の臨床価値を検証するのか。
36krが得た情報によると、内視鏡映像による補助診断に力を入れたAI企業であるWisionA.I.は既に数千万元のA型融資を受けており、投資したのは北極光創投とされている。本融資は主に人材の引き込みと更に多くの臨床試験への展開に用いられる。
WisionA.I.は2016年末に設立され、AIを通して消化器内視鏡を使う医師に補助診断を提供する事に力を入れている。主に結腸、直腸の早期癌検査に用いられる計測器を提供するが、これによって腸管ポリープの誤診率が減少する。
結腸、直腸癌の発病率の継続的増加と下がらない誤診率
結腸、直腸癌は世界でも最も良くみられる悪性腫瘍の1つであり、現在中国における各癌症状の中でも発病率第3位に位置づけられている。その発病原因はその他の癌と比べても環境要因の影響が高い。中国経済の成長が増すにつれて、人々の生活様式は日々多様化し、結腸、直腸癌の発病率も年平均4%〜5%という速度で増加している。
結腸、直腸癌の発症と病変時期は密接に関係しており、多くの早期結腸癌は治癒し、5年生存確率は90%に達し、局部での進展は70%、晩期は10%に満たない。これも早期診断が生存に大きな影響を受けていることを充分に説明している。結腸、直腸癌の多くは結腸ポリープから変化しており、腸癌における主要な早期発見の目安はポリープの発見にある。
消化管の病変の検査と診断の確実な基準は、臨床上一般的に消化器内視鏡によるポリープの検査が採用されており、生検を通して病理変化を分析し悪性の程度を確定して癌症状の検査を行う。
しかし、その中には明らかな問題点が幾つかある。1つ目は腸内環境が複雑なことだ。早期の癌病変またはポリープは小さく平らなため、検査前に腸洗浄をしてもきれいにならないなどの要因があると、多くの医師が精密な判断をする事が難しくなり、臨床上の誤診率が高くなる(アメリカは6%〜27%、日本は約20%、中国は更に楽観視できない状態である)。2つ目は消化器内視鏡は自然な空洞を通して人体に入れる必要があるため、検査過程のなかで医師が多くの時間を用いて機器を操作したりすると患者に強烈な不快感を伴う。3つ目は医師の人材難等の問題によって、消化器疾患はとりわけ悪性病変の早期診断、早期治療は基礎があるだけで行き渡っているとは言い難い。
先見性のある臨床試験を用いてA.I.の技術価値を確認する
WisionA.I.の創設者兼CEOである劉敬家(リョウ・ジンジャア)は次のように言っている。消化器内視鏡における人工知能技術では、上記の問題は大方解決している。補助検査システムを通して検査効率と早期癌検出率を高め、医師に完璧な診断をもたらす。未来にこのような技術が普及すれば結腸、直腸腫瘍検査能力の基礎固めとすることができる。
紹介によると現段階でWisionA.Iはこのようなサービス環境で用いることができるとされている。医師がWisionA.I.システムを利用し補助診断を進める際に、患者の消化管の映像はディスプレイ上で絶え間なく変化し、ビデオ画面に対応する様々な病変もリアルタイムですぐ分かる。つまり医師が判別する前に、機械が既に自動で画像に対して専門的な判断をしているのである。

劉敬家が明かしたところによると、現在Wision A.I.は既に国内の某三甲医院で大規模な機械化技術検証が行われ、試験サンプルはトレーニングサンプルの44倍であり、計算と一致する。結果的に、敏感度>94%、特異度>96%、AUC=0.991である。この研究は2017年世界消化器病学会(WCOG)で唯一の国際賞を受賞し、チームは学会の最初のセッションで報告するように招きをうけた。
指摘する必要があるのは、前向き研究(prospective study)は現在を起点とし将来に至る研究方法であり、医療における人工知能試験の第3段階として位置づけられている事である。第1段階は目の前のモデルを確定させること、第2段階は大規模な患者を通してえられたデータの価値を確定する回顧的研究である。WisionA.I.を例に挙げると、前向き研究が現在のデータモデルの基礎の上にあることをふまえて、A.I.機器が介入することで、医師の診断効果がどう変化するのかを追跡する事は更なる臨床価値を備えている。
劉敬家は、医療A.I.技術はいまだ早期の段階にあり、前向き研究が要求している変化量のコントロールは相対的に複雑だと述べている。それは私達が見ている多数の精密な研究成果が未だ前向き研究の検証を経ていない事を示している。これにはGoogleがJAMA上において糖尿病で見られる網膜疾患の変化レベル発表し、スタンフォードがNature上において皮膚病変の診断成果を発表した事等も含まれている。
パイプラインの面では、WisionA.I.が設立した当初はアメリカ向けであり、ハーバード医学院及びその傘下の病院との協力により、50種の大腸内視鏡検査に対して検証を行い、ポリープに対し医者の日常の診断を超える効果を提示した。その他にもニューヨークの某トップ病院との協力をとりつけた。
可能な限り多くの病院でシステムをトレーニングする他のAI企業とは異なることをWisionA.I.の創設者である劉敬家は示している。医療A.I.は循証医学のロジックを守らなければならず、パイプライン毎に全てその製品から来る更に良好な臨床のエビデンスとすることができ、これによってシステム部所から多くの病院に行き渡らせる必要がない。彼が明らかにしたところによると現在あるパイプラインが安定して協力関係を構築した後、更にアメリカ中部、東南部、西海岸などの幾つかの州へと発展させるベンチマーキングの性質を持った医療機構の設立が次の一歩である。
商業による空間の変化と技術の壁
製品が続々と商業化されると、消化器内視鏡の応用を考えていく必要が出てくる。まず、消化器内視鏡の特殊な光源、ルーペ、顕微鏡の観察方法は疾病病理研究で更に豊富な情報を提供している。次に腫瘍は早期にスクリーニングされたのち、さらなる治療(最小限の手術、もしくは手術しない)、肺、胆のうなどを含む器官付近の腫瘍の切除、及び治療である。
そして関係する病気の発病率が年々高まるにつれ、無手術の更なる普及、A.I.+消化器内視鏡映像も更に幅広いビジネスとなる。相応して、放射線映像、超音波映像、病理切片、眼底などの医学映像の補助検査、消化器内視鏡のA.I.補助診断道具も更に独立した医療機器商品の臨床価値及び商業変成能力となる。
当然ながら、多くの機構がこの甘いケーキに着目しはじめた。そして消化器内視鏡の人工知能開発領域に投入した。公開されている資料から分かる事は、昨年5月、日本のオリンパスと富士フイルムが協力して開発した胃に適合し腸管を調和するA.I.補助診断製品を発表した。昨年7月、日本のがんセンター及びNECも結腸内視鏡中のポリープ自動診断を行う人工知能を開発した事を発表した。8月、華西病院と希氏病院の医学における人工知能センターが人工知能による消化管内視鏡の製品を発表した。それは胃カメラでポリープや腫瘍、静脈瘤を確実に識別することもできる。今年7月、騰訊写真も結腸、直腸腫瘍にA.I.システムを導入することを発表した。
技術的障壁に関しては、劉敬家が次のように言っている。消化器内視鏡の疾病徴候を示す形態的特徴は複雑である。正常な隆起、絨毛壁、脂肪顆粒などが識別指標(ポリープや腺腫等)であるはずが、干渉されたり、統計規則が不明瞭、深い学習を行う際の学習方法が不的確なことからこの種の病変の識別が難しくなっている。これに対して、WisionA.I.は機能解析を用いたオペレータ理論を採用し、構造における各種の深さを神経網関数の不変部分空間を学習させ、同時にこの構造は神経網の深い学習によって基礎関数の機能解析識別関数として、一般的な深さの学習方法による図形形態の制限から抜け出すことができた。相応して、モデル構造の難しさも更に大きくなるはずである。
そのうえ、消化器内視鏡映像は全ての能動的な過程から撮った画像であり、その画像の質は医師の操作あるいは設備レベルに依存する。A.I.識別の助けを借りることはその他の画像に比べて困難であり、A.I.モデル訓練技術に対する要求も高くなる。その他、消化器内視鏡で臨床を行う際には、毎秒何百もの内視鏡映像が流れるため、高速識別の必要がある。ドロップフレームせず、ずれた感覚がないこと、このことからハードウェア技術に対する要求も高いという事が分かる。
チームとしては、主な構成員がブラウン、コロンビア、スタンフォード、复旦、中科大等の名門校出身者からなっており、Google、ゴールドマンサックス、アマゾンなどの会社の職員を兼任している。現在合計11人で、その中の技術チームはかつてゴールドマン・サックスで定量的取引(Quantitative Trading)を行ったモデラーが率いている。