スマートホームOS、中国はバイドゥ、ファーウェイ、ハイアールが鼎立

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スマートホームOS(オペレーティングシステム)は、スマートホームのプラットフォームから発展したものであり、今後、スマートホームでデバイスを接続する基本ソフトとなるだろう。それが提供するサポートには2つの側面がある。一つは接続ポートへのアクセスと関連プロトコルの提供だ。これにより、各メーカーのインテリジェントデバイスはポートを介してシステム全体にアクセスし、システムは制御と基本的な調整機能を提供する。もう一つは、成熟した開発者プラットフォームを構築し、デバイス使用のためにパーソナライズされたソリューションを提供する開発者を集めることである。

スマートホームの概念は20年前から存在するが、時代を画すようなイノベーションはまだ起こっていない。最大の課題は、一つ一つのインテリジェントデバイスを効果的に相互接続するスマートグリッドが形成できていないことにある。

現在、スマートホームOSを開発する三大勢力といえば、ハイアール(Haier)に代表される既存家電メーカー、バイドゥに代表されるIT企業およびファーウェイに代表される通信機器メーカーだ。

ハイアールは、独自のスマートホームプラットフォームを「U-home」と呼ぶ。 Uはユビキタスで遍在(広くあちこちにゆきわたって存在すること)を意味する。 U-homeは、各シーンと連動したスマートなライフスタイルとコンセプトに力を入れている。例えば、家主が帰宅して指紋でドアロックを解除すると、明かりがともり、BGMが流れ、カーテンはゆっくり開き、ポットのお湯も自動で沸くといった具合だ。

ハイアールはデザインコンセプトの面で実用主義であり、自社デバイスの競争力を磨いてアピールするが、ディープラーニングなどのインテリジェント化技術に欠けるU-homeシステムは、 簡単なスマート家電のアップグレードとリンクしかサポートしていない。日常使用では問題ないだろうが、スマートライフを本当にサポートできるかは疑問だ。

バイドゥは一貫してインターネット思考を堅持してきた。ヒット商品のスマートスピーカー「小度(Xiaodu)」など簡単なヒューマンマシンインタラクション(HMI)デバイスを入口とし、スマートホームの各デバイスと接続し制御する。また、AIアシスタント「小度助手(DuerOS)」を開発、スマート家電の基本ソフトやクラウド使用のため、AIや自然言語認識・処理などの技術面をサポートする。

バイドゥはAI分野での経験が豊富で、DuerOSには大規模なデータ基盤があり、自然言語を介してハードウェアの操作とインタラクションを完成し、ユーザーにワンストップサービスを提供できる。また、このDuerOSはサードパーティのスマートホームデバイスとも接続できるようになっている。 DuerOSは「TCL」、ハイアール、ハイセンスなどの既存家電メーカーや米半導体メーカー「NVIDIA」、音声コンテンツ配信プラットフォーム「喜馬拉雅(ヒマラヤ)FM」などと幅広く提携しており、スマートホームに必要なデバイスが顔をそろえている。

 

しかし、スマートホーム用のデバイスをみると、バイドゥはスマートスピーカー「小度」やスマートディスプレイなど基本デバイスしか作っていない。これができるのは、バイドゥがサービスプロバイダーで投資圧力が少なく、アセットライト・技術重視というコンセプトが他企業にプラットフォーム接続を警戒させないからだ。しかし、自社ハードウェアの少なさは潜在的なリスクをもはらんでいる。

今のところ、最もOSと呼べるものに近いのは、技術に長けるファーウェイが開発したスマートホーム用プラットフォーム「HiLink」だ。 HiLinkは、十全なアクセス方式とソリューション、さらに成熟した開発ツールとプロトコルを提供する。 ファーウェイの公式データによると、今年9月10日時点で、約5000万人がHiLinkを使っており、累計4億台のデバイスにインストールされ、デバイス間では平均すると毎日延べ10億回の通信が行われているという。

ファーウェイの基盤は通信技術だ。HiLinkはスマート家電用チップ、通信プロトコル、クラウドサービスなどの一体型ソリューションを提供する。 ファーウェイは傘下の半導体メーカー「HiSilicon(海思半導体)」が開発するチップを基軸とし、WiFi・Bluetooth・zigbeeなどに対応するマルチチップモジュールソリューションを提供すると同時に、ファーウェイのJavaScript APIを組み合わせることにより開発難度を軽減している。こうするメリットは明らかだ。現在、かなりの中小企業が技術的な問題で市場に参入できていない。ファーウェイはそうした企業にチップやクラウドサービスなどの一体化ソリューションを提供し、参入ハードルを下げ、参入するきっかけを与えているのだ。

 ただし、ファーウェイも枕を高くして寝てはいられない。 ファーウェイは、HiLinkプラットフォームを構築する一方で、スマートスクリーンなど自社開発のスマート家電ブランドも取り扱う。

他企業からすると、HiLinkに接続するなら、対応するファーウェイ製品との競合は避けられず、相手の土俵で戦うのは不利だと考えられる。

総括すると、スマートホーム・プラットホームは3陣営による覇権争いの最中だ。既存家電メーカーは、ハードウェアで主導権を握り、OSをプレインストールできる。彼らの戦略は、言うまでもなく自社製品の販売だ。IT企業は優れた技術やシステム構築能力を有するが、自前のハードウェアが少なく、思うに任せないのが苦しいところだ。一方、通信機器メーカーは例えるならばアスリートでありながら審判も兼任しようとして、他社に警戒されてしまっている状況だ。今のところ、3つの勢力はどれも他に追従しようとしておらず、各陣営内部でも覇権争いが続いている。

作者:智能相对论(ID:aixdlun)、郭锴

(翻訳:永野倫子)

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