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中国雑貨チェーン「名創優品(メイソウ)」上場後初の決算 売上高3割減でコロナ後も苦戦

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12月18日、中国の雑貨チェーン「名創優品(MINISO=メイソウ)」が今年10月の米国上場以来、初となる2021会計年度第1四半期(2020年7~9月)の財務報告を発表した。今四半期の売上高は前年同期比30%減少し、調整後の純利益は同140%の増加となった。この日、同社の株価は1.24%値下がりして取引を終えている。

週明けの21日には株価が急騰し、最高値を記録。終値は16.53%値上がりの27.85ドル(約2900円)で、時価総額は84億6570万ドル(約8800億円)となった。

売上高が激減、海外展開でも挽回できず

今四半期の売上高は20億7200万ドル(約2140億円)で、前年同期の29億8900万ドル(約3100億円)から31%の減少となった。

上場後の売上高としてはいささか残念な数字だが、2020年上半期の売上不振を引きずっているとも考えられる。この時期は新型コロナウイルス感染症の影響で来店客が激減し、名創優品も深刻な打撃を被った。報道によれば、2月には同社店舗の半数近くが閉鎖されたという。

コロナによる打撃は同業他社にも及んでいる。7月には「無印良品」を展開する良品計画の米国子会社「MUJI U.S.A.」が破産を申請、負債総額は6400万ドル(約66億1600万円)となり、翌月にカリフォルニア州にある7店舗の閉鎖を発表した。 

今四半期に注目してみると、名創優品の売上高減少は長引く新型コロナウイルスの影響のほかに、客単価の減少も一因となっている。当初は「10元ショップ」(10元=約160円)という低価格を前面に出した販売戦略だったが、商品価格の値上げに伴い客単価の減少が目立つようになった。

商品価格の上昇は名創優品のグローバル出店の加速とシンクロしている。財務報告によると、2020年9月30日時点で名創優品は85の国や地域に4330店以上を展開しており、2633店余りが中国エリア、1697店が海外店舗だという。

粗利率も減少、低価格市場にひしめくライバル

名創優品の創業者である葉国富氏は過去のインタビューで、同社の粗利率はわずか8%だと語っている。しかし財務報告では総合粗利率が30%となっており、加盟店のロイヤリティなどの純利益を差し引いても、商品の粗利率は22%ほどになる。とはいえ同業の無印良品の粗利率が46%であることを考えると、大きく見劣りしている。 

名創優品の今四半期の粗利率は25%。2020年の売上高が前年割れした状況で、粗利率も前年の31%から大幅に落ち込んでいる。

低価格を武器にして一気に市場を奪う名創優品の成長戦略は、共同購入型ソーシャルEC「拼多多(Pinduoduo)」とよく似ている。名創優品は「10元ショップ」というビジネスモデルで時価総額400億元(約6320億円)を超える帝国を築き上げた。まさに拼多多のオフライン版と言えよう。しかし拼多多を始めとする格安ECの台頭によりオンラインの価格競争が激化しているため、コスパ重視のこの戦略も10年前と比べると劇的な効果をもたらすとは言いがたい。

 中国の調査会社「易観(Analysis)」が発表した11月のモバイルアプリランキングによると、アリババ傘下の格安EC「淘宝特価版」が引き続き好調で、月間アクティブユーザー1000万人以上のアプリの中で増加率トップに輝いた。淘宝特価版は主に地方都市市場向けに展開されているが、ちょうど名創優品のターゲットとする購買層と重なる。

 しかも淘宝はオフライン販売にも着々と歩を進めている。10月9日、淘宝特価版は商品全てを1元(約165円)で販売する「1元ショップ」の第一号店を上海市にオープンし、今後3年間で全国1000店以上にまで拡大する考えだ。実店舗頼みの名創優品にとって、淘宝のオフライン進出は手痛い一撃となるだろう。

作者:美股研究社(meigushe)

(翻訳・畠中裕子)

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