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アップルは2017年に、初のスマートスピーカー「HomePod」を発売した。あれから3年が経ち、ようやく後続機種の「HomePod mini」が発売された。筆者は実際に購入し、外観や性能などを確かめてみた。
小さなHomePod mini
HomePodは高さ172mm、幅142mm、重さは2.5kgだったが、HomePod miniは高さ84.3mm、幅97.9mmで、重さはわずか345gしかない。りんごより一回り大きい程度であり、手のひらに乗せることができるサイズだ。
HomePod miniの上部は丸いタッチスクリーンであり、音量変更調節、再生する曲の切り替え、Siriの呼び出しができる。
HomePodと同じように、HomePod miniにも内蔵電池がなく、本体直付けのケーブルを通して給電する。ケーブルの先はType-C USBで、それを20WのACアダプターに接続して使う。
多様な使いみち
HomePod miniをiPhoneやiPadと接続するのは簡単で、HomePod miniにデバイスを近づければ接続のウィンドウが飛び出し、指示通りに操作すれば接続できる。
接続すれば、Apple Musicを使って音楽を再生できる。ストリーミングの無線転送機能であるAirPlayにも対応しており、Windows OSのパソコンでもiTunesからHomePod miniに音楽を飛ばすことができる。また、電話の音声もHomePod miniで流すことが可能だ。
スピーカーとしての音質は、HomePodと比較すれば大きく劣るが、1000元(約1万5000円)以内で購入できるスマートスピーカーとしては、最高レベルのものである。しかし、音量が小さいのはやや残念だ。2つ以上のHomePod miniでステレオ環境を作れるのなら問題ないが、1つしかない場合、音量を常に70%以上、広い部屋なら最高レベルにまで上げなければいけない。
特筆すべきは、HomePod miniがアップル製品で初めてグーグル主導の無線規格の「Thread」に対応したことだ。ThreadはIoTのために設計された規格で、エネルギー効率が高く、最大で250のデバイスとの同時接続ができ、遅延も少ない。これに対応したことで、HomePod miniの実用性が一気に高まった。アップルが2014年から初めたIoTサービス「HomeKit」に対応した家電製品があれば、HomePod miniを通して音声で操作することが可能だ。
もう一つの面白い機能は、インターコムと呼ばれる内線通話機能だ。「ホーム」アプリまたはSiriから通話を立ち上げれば、HomePod miniを設置した部屋に音声でメッセージを伝えることができる。
HomePod miniは買いか
数日間体験した結果、長年アップル製品を使ってきた利用者、または1000元(約1万5000円)以内のスマートスピーカーを探しているユーザーであれば、HomePod miniは「買い」との結論になった。スマートホームを初めて体験してみたい利用者にとっても、HomePod miniはうってつけだ。
アップルはHomePod miniを通して、スマートホーム市場での影響力を広げたいのだろう。コストパフォーマンス抜群のこの製品は、しばらくの間最も売れるスマートスピーカーになるかもしれない。
しかし、中国で普及する上において、HomePod mini がAndroid OSに対応していないの点が、HomePod miniの中国での普及における最大のネックだ。また、中国市場ではHomeKitに対応したデバイスが少ないく、対応したものは価格が割高なのも課題だ。今後アップルが本気で中国のスマートインテリア市場を開拓したいのなら、中国国内のメーカーと提携して、自社のエコシステムに対応した製品をより多く開発することが必要だろう。
原作者:雷科技(WecChat ID:leitech)
(翻訳:小六)
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