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12月10日、北京で開催された36Kr主催のテックカンファレンス「WISE2020」で、アクセラレーター「奇績創壇(MiraclePlus)」の創業者兼CEOの陸奇氏が登壇し、今後10年に急成長が見込まれる4分野について講演を行った。
陸氏はもとバイドゥ(百度)のCOOで、米トップレベルのアクセラレータ「Y Combinator(Yコンビネータ)の中国支社CEOを経て、2019年11月に奇績創壇を創設した。
以下は、陸氏の講演の抄訳である。
2020年は特異な年だった。新型コロナウイルス感染症パンデミックは、今世紀最初の世界的事件であり、社会発展への影響は計り知れない。
こうした状況下で、今後10年間に大きく成長すると見込まれる分野が4つある。
1.デジタルインフラ整備:リモートワーク、リモート教育、リモート医療、24時間オンライン技術サービスは、あらゆる国・地域で既に当たり前になっている。
2.ライフサイエンス:新型コロナウイルス感染症パンデミックは、検査やワクチンを含む医薬品開発に革新的技術を要求した。ライフサイエンスの敵は他国ではなく自然界からやって来る。
3.再生可能エネルギー:環境問題は抜き差しならない状況まできている。再生可能エネルギーは今後10年間で確実に急成長するだろう。
4.アジアが世界経済の中心へ:今後10年間で世界経済の中心がアジアに移動する動きが加速する。もっと言えば、その中心となるのは「技術強国」中国だ。中国経済は技術主導によるイノベーションを主流としている。過去10年間、あるいは過去40年間の改革開放の期間に、中国経済は市場開放によって発展したが、次のテーマは技術強国だ。
また、世界の勢力図からすると、中国は自身で確立し制御するコアテクノロジーとエコロジーを持たなければならないが、このプロセスは急速に成長するだろう。マクロ経済のシステムも多様化を続け、今後10年は急成長を維持するだろう。
次の10年をどう見るか。これまでの歴史を振り返って見えてくる経済発展の構造は「エネルギー+情報+汎用技術」の進歩である。
新エネルギーと情報の組み合わせが、今後10年間の発展の構造となりトレンドとなることは明らかだ。現在の市場発展は自然が無償であることを前提としているが、それは誤りである。再生可能エネルギーと持続可能な環境は産業化されていくだろう。デジタル化の波は次々にやって来る。新世代のデジタルプラットフォームはほぼ12年ごとに誕生する。今、私たちはモバイルインターネットの時代を生きているが、人工知能の時代は既に始まっており、次世代の最先端技術も登場している。
奇績創壇は米国トップレベルのアクセラレーター「Y Combinator(Yコンビネータ)」からインキュベートした。成長期の今、創業初期の環境に注目が集まっているが、私たちは起業家のコミュニティを作り、その完成品を市場でマッチングし、初期段階の起業家が資金調達を通じて延命できるよう支援することを理想とする。
起業家には多方面からの長期的支援が必要であり、起業家コミュニティはそのニーズに合致する。これには起業家、投資家、成熟した企業、サプライチェーン、大学、科学研究機関による協力や政策支援も必要だ。今後10年間でチャンスをつかむには皆の協力が欠かせない。(翻訳:永野倫子)
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