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「リッチメディア」はデジタル広告用語で、従来のテキストや写真に加えて音声や動画なども駆使する広告を指し、視聴者がコンテンツと相互にやり取りを行い、コンテンツに参加できる高度な機能を有している。米スタートアップ「Vidy」はNLP(自然言語処理)技術を用いてWeb上のテキストに動画広告を埋め込み、技術サービス料と広告料で収益を得ている。
VidyのビジネスモデルはWeb上のテキストに動画広告を埋め込み、動画視聴とテキスト閲覧をシームレスにつなぐものだ。広告を掲載するパブリッシャーからは技術サービス料を徴収し、広告サービスプロバイダーからは広告料を徴収する。パブリッシャーとなるメディア企業は、テキストに動画を埋め込むことでユーザーにより豊富な体験を提供でき、ユーザーとのインタラクションを行えるほか、ユーザーの滞在時間を伸ばせる。広告主にとっては、アプリ起動時広告やポップアップ広告よりも低価格で広告が出稿できる。ユーザーにとっては、Vidyの動画を視聴するたびにインセンティブが付与され、Vidyで広告を出稿するブランドの商品やサービスを購入したり引き換えたりできる。広告主が取得したインセンティブは広告費の支払いなどに代替できる。
Vidyが所有する特許技術は、関連キーワードを利用し、関連するテキストを含むあらゆるWebページに動画を不可視化して埋め込める。ユーザーは該当のキーワードを長押しすると埋め込まれた動画を視聴でき、これまでにない没入型の閲覧体験を得られる。
今年11月時点で、100億ページ以上のWebページにVidyの動画が配置され、これまでに10億回以上再生され、100社以上のグローバルメディア企業や広告主がVidyの製品を導入し、ユーザー基盤は1億5000以上に達した。米ケーブルテレビ局CNNや米メディア複合企業ハースト、女性ファッション誌『VOGUE』、男性誌『Esquire(エスクァイア)』など50以上のパブリッシャーと提携し、Webテキストに動画広告を掲載している。
Vidyの共同創業者でCEOのマシュー・リム氏は「我々が取得した数百のデータポイントからみると、Vidyはユーザーの参加度がより高く、動画の平均視聴率は40%に達している(動画視聴率の基準は視聴時間が連続2秒以上に達した場合とする)。ページあたりの滞在時間も増えており、平均閲覧時間は230%になった」と説明する。
Vidyは現在、三カ所に拠点を構える。米ニューヨークには15人からなるエンジニアチームを置き、製品開発と刷新に専念している。上海では中国市場での事業開発とマーケティングを担い、創業者が席を置くシンガポールでは東南アジア市場全域の事業とパートナー開拓を担当する。
リムCEOは同社のビジョンについて、5年以内に分散型のソーシャルECプラットフォームを完成させることだと語った。プラットフォームが完成すれば、インターネットユーザーはFacebookやAmazon、Twitter、アリババなどにログインすることなく、単一のプラットフォームでSNSやECを利用できるようになるという。さらにVidyが提携するメディアのテキストから動画を視聴、共有できるようになり、Webページ上で他のユーザーと交流したり、商品やサービスを購入したりできるようになる。
Vidyはこれまでにエンジェルラウンドで「分布式資本(Fenbushi Capital)」、「同舟資本(oneBoat Capital)」、「回向基金(Circle Fund)」、シンガポールの投資会社「V3 Group」、インドネシア最大手のメディアグループ「MMC」から出資を受けており、現在は新シリーズでの資金調達を計画中だ。(翻訳・愛玉)
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