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消防と電力のスマート化ソリューションを提供する「拓深科技(TPSON Technologies)」はこのほど、シリーズB+の資金調達を完了した。「金茂創投(Jinmao Venture Capital)」と「創合匯資本(Chuanghehui Capital)」が共同で出資し、「一葦資本(Insight & Reliability Capital)」が財務顧問を務めた。調達した資金は主にアルゴリズムの改良や電力設備の研究開発に充てる。
同社のコア製品は、電力指紋AI(Elec AI)アルゴリズムを統合したスマート警報のためのエッジコンピューティング端末および設備に付随する診断、早期警報、表示用のSaaSプラットフォームだ。そのうち、顧客向け製品にはスマート電気火災警報器、電気メーター、エアスイッチ、配線用遮断器などの消防、電力設備がある。製品はビルなどの建築物、工業団地、都市で利用され、電気回路、電気器具の接続および使用状態のデータを集め、同時に一部のデータの前処理を行う。クラウドシステムが端末設備から転送されたデータに基づいて設備と電気回路の運用について分析・診断とデータ表示を行うことで、早期警報と対応が可能になる。
このソリューションは火災の早期警報、電力消費状況の分析、スマート配電などの分野に応用でき、主にスマートシティ、大学、コミュニティ、オフィスビル、文化財などで利用されている。張軒銘CEOによると、これまでに約10万台の火災報知設備を搭載した。
スマート消防は同社が注力する分野だ。中国政府は近年、消防のスマート化や消防安全基準などの政策を相次いで打ち出している。
張CEOは、火災発生後にセンサーが煙を感知して警報を鳴らす現在の警報システムでは消火前に避難する時間が限られるため、拓深科技は設備の電流の変化をモニタリングすることで火災発生前に警報を発信したいと話す。
早期火災警報を支えるのは、同社のコア技術である電力指紋AI(Elec AI)アルゴリズムだ。この技術によって、電流の大きさと時間で構成される二次元データの中から電気回路上の設備、電力効率などの状況や故障の情報を抽出する。データ処理と送信においては、自主開発した端末がエッジコンピューティングとクラウドコンピューティングをつなぎ、通信を円滑化し、反応速度を上げる。
自社開発のSaaSデータプラットフォームでは、顧客ニーズに合わせて回路モニターを設定したり、早期警報システムの制御、情報の統計や分析を行ったりする。現在、同社製品の電気回路検査の正確度は99.63%、設備故障検査は95%以上に達する。
現在は大手企業が主な取引先だが、将来的には小規模企業や個人も開拓する計画だ。
中国のスマート電力市場は2017~2021年に年平均17.3%成長し、2021年には4108億元(約6兆6000億円)規模に達すると見込まれる。張CEOは「電力会社のスマート化需要で市場が拡大している。今後は設備診断、スマート配電のメンテナンス、電気設備の安全、電気料金適正化などの分野に広げていきたい」と語る。
張CEOは、監視カメラ分野の世界最大手「海康威視数字技術(ハイクビジョン)」出身。他にも、クアルコム出身の技術者で、電力指紋分野で20以上の特許を発明した役員、スマート化ソリューションプロバイダーでの実務経験が豊富な役員らを擁する。(翻訳・二胡)
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