ファーウェイが売却した「Honor」、独立後初の新機種を発表 米サプライヤーとも取引再開

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ファーウェイから独立したスマホメーカーの「HONOR(栄耀)」が、独立後初の新商品発表会を開催した。

発表会において、HONORのCEO趙明氏はまず同ブランドの7年間を振り返った。HONORのスマホユーザーは2014年には2千万人だったが、2020年にはスマートデバイスを含めると2億人になった。2018〜2020年の3年間は中国国内オンライン販売1位だ。また、HONORには8000名の従業員が在籍し、半分が開発に携わっている。

ファーウェイは制裁を受けているため、傘下「海思半導体(HiSilicon=ハイシリコン)」のスマホ向けハイエンドチップの製造が継続できない状態に陥っていた。そこでHONORを独立させ、他社からの調達を可能にしたのだが、ハイシリコンのチップがない状態で、HONORがどのように他社と差別化を図るのかが注目されていた。

今回発表された「V40」は、台湾メディアテックの「天璣1000+(Dimensity1000+)」チップを採用した。趙氏によると、チップは他社と同じだが、AIによってよりスムーズなネットワークを自動で選択する「Link Turbo」、グラフィックス処理の効率、画質、性能を向上させる「GPU Turbo」、5Gエンジン、メモリ管理エンジンの改良などによって、端末のパフォーマンスはより優れたものになっているという。

HONORV40のセールスポイント。画像はHONORより

ディスプレイは6.7インチで、左右両サイドに80度湾曲したエッジを持つ。リフレッシュ・レートは120Hz、色深度は10.7ビットだ。アウトカメラは5000万画素で、手持ちでの夜景撮影機能のほか各種プロ級の機能を搭載する。

充電は66Wの急速充電と50Wのワイヤレス急速充電に対応し、本体の重さは186gだ。価格は3599元(約5万円)〜となっている。

同発表会では、ノートパソコンの「MagicBook 14/15」、スマートウォッチの「GS Pro」なども発表された。

ファーウェイやHONORは各種製品を同時に使った共同作業機能を重要視しており、今回発表された製品でもこの機能が強化されている。スマホは最大3つのアプリウィンドウを同時に表示できるようになっており、1つをメイン、2つをサブにするような設定が可能だ。また、MagicBookと連携し、パソコンとスマホでそれぞれ異なるアプリ画面を表示させることも可能だ。

これまでHONORとファーウェイは、価格帯やターゲット層が明確に分かれていた。ファーウェイはビジネス向けのハイエンド・高価格機種、HONORは若者向けの低価格機種だ。シャオミや「OPPO」「vivo」といった競合との直接対決も、主にHONORが担っていた。

HONORの位置づけが独立後に変化するのは明確だ。趙氏はHONORが「世界的なテクノロジーブランド」を目指していると話し、スマホだけではなく、より多様な製品をオムニチャネルで販売するとしている。スマホを中心としながらも、高級志向に転換し、フラグシップモデルの発売も予定している。

懸念されている制裁の影響について、趙氏は発表会後に行われた記者会見で、クアルコム、マイクロン・テクノロジー、メディアテック、サムスン、マイクロソフト、インテルなどすべてのサプライヤーとの取引を再開したことを明らかにした。販売チャネルの開拓も進んでおり、2022年にはオンライン40%、オフライン60%の比率になると見込んでいる。

ファーウェイの技術をそのまま使用できた従前と比べ、生まれ変わったHONORは戦略的な自由度は高まったが、販売と開発はすべて自社で行わなければならない。それだけに、今回発表されたV40に対する市場の反響が重要で、それにより今後の戦略が変わってくるだろう。

(翻訳・小六)

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