ユーザー数4億突破 アリババのコラボツール「DingTalk」、商業化への道のり

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ユーザー数4億突破 アリババのコラボツール「DingTalk」、商業化への道のり

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リモートワークは間違いなく2020年における最も熱いトレンドの一つだった。中国ではアリババ、テンセント、ファーウェイ、バイトダンス(字節跳動)がクラウドオフィス分野で競い合い、それぞれが展開する「釘釘(DingTalk)」「企業微信(WeChat Work)」「WeLink」「飛書(Feishu)」が「リモートワークの四小龍」と称された。海外ではWeb会議ツールを提供する「Zoom」の株価が高騰し、わずか1年で425%も上昇した。

そんな中、アリババは今月14日に「DingTalk 6.0」の発表会を開催した。

DingTalkの定義

昨年9月、アリババはDingTalk事業を格上げし、アリババクラウド事業部へ編入した。さらにグループ内の関連リソースを「クラウド・DingTalk一体化」戦略に注ぎ込むと発表した。

同戦略は今回の発表会でいっそう明確に定義され、「一般企業向けのアプリ開発プラットフォーム」と説明された。新たに発表されたローコード開発ツール「宜搭(Yida)」を使えば、企業内のHR担当者や財務担当者などコーディングができない人員でもDingTalk内でオリジナルのアプリが構築できるという。iOSアプリやAndroidアプリと同様のアプリが作れるが、「DingTalkアプリ」はより法人向けの色彩が濃い。

宜搭がローンチしたDingTalk利用企業のためのサービスコーナー

DingTalkの大口顧客である家具販売大手「居然之家(Easy Home)」は、これまで宜搭を利用して累計400ものアプリを開発し、経費精算業務などに用いている。

DingTalkのユーザーは現在4億人を突破し、5000社以上の企業が宜搭を使って独自のアプリを構築しているという。DingTalkのオープンプラットフォームに加入する開発者は30万人近くに達し、開発されたアプリは50万以上にも上る。APIコール数は1日あたり9億8000万回となっている。

ヒト中心からコト中心へ

2019年、DingTalkはビジネスロジックとして「ヒト中心」を掲げていた。ヒトを中心に据えたスマートコラボレーション、なおかつオンラインを前提としたスマートコラボレーションを核としていた。

しかし最新の6.0バージョンでは、「ヒト中心」「部署中心」から「コト(プロジェクト)中心」に軸足を移した。DingTalk最新版ではドキュメント、会議、プロジェクト、ToDoリストなど10のコラボレーションツールが統合され、アリババグループのeメール部門からメールボックスとカレンダー、Teambition部門からプロジェクト、ToDoリスト、クラウドストレージなどの機能を導入し、ビジネスコラボレーション向けのオフィススイートに進化したという。

DingTalkはさらに新機能として職種別の業務ツールキット「角色工作台」をリリースした。CEO職、HR職、財務職、教育職などそれぞれの職種に特化したツールが集められている。前出の宜搭を用いて業務上の必要に応じた独自のアプリを開発することもでき、誰もがツールキットを自分専用にカスタマイズできる。

法人向け事業の起爆剤に

ユーザー数の伸びからみると、2020年はDingTalkにとって間違いなく大躍進の1年だった。とはいえ、現段階ではまだ多額の資金を投じながら回収には至っていない状態だ。昨年5月に発表されたアリババの業績データによると、アリババクラウド事業部の売上高は122億元(約2000億円)で前四半期から大幅に伸びたものの、依然赤字となっている。その原因の一つがDingTalkだ。

さらに、ビジネスコラボツール分野には並みいる強豪たちが参入してきている。新型コロナウィルスの感染が深刻化した昨年2月下旬以降、バイトダンスの競合製品「飛書」が無料開放され、テンセントの競合製品「WeChat Work」は12月末に開催された年次発表会で「ユーザー数4億」「利用企業・組織数550万」と発表され、同じくテンセントのビデオ会議ツール「騰訊会議(Tencent Meeting)」のユーザー数は1億人を超えたと発表された。

アリババグループの事業は法人向け・消費者向けの双方を手がけており、収益を上げているものにはB2Cプラットフォーム「天猫(Tmall)」やC2Cプラットフォーム「淘宝網(タオバオ)」などのEコマース事業がある。DingTalkが今行うべきは法人向けサービス事業を全力で軌道にのせ、いち早く競合他社から抜きん出ることだ。DingTalkを入り口として法人顧客を集めれば、その他の各部門に接続できる。

コラボレーションツールをめぐる競争を戦い抜くことは、DingTalkがアリババの事業構成図において重要な1ピースになるための必達のミッションだ。

作者:WeChat公式アカウント「電商在線(ID:dianshangmj) 王亜琪

(翻訳・愛玉)

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