H&M傘下ブランドが中国に初の旗艦店 アパレル不況下で新規出店の強気戦略

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スウェーデンのH&M傘下のライフスタイルブランド「ARKET」とレディースファッションブランド「&Other Stories」が中国に旗艦店をオープンすることを発表した。

ARKETはメンズ、レディース、キッズファッション、インテリアを集めた北欧テイストのライフスタイルブランドで、今年秋に北京に出店する計画だという。昨年8月に中国のEC大手「天猫(Tmall)」や国民的SNS・WeChatのネットショップ「微信商城(WeChat Mall)」に出店して以来、初の実店舗となる。

ARKET 2020秋冬コレクション

&Other Storiesは今年1月、微信商城に出店したばかり。今年秋に中国初の実店舗を上海のシッピングモール「iapm」にオープンする予定だ。同ブランドは、女性がもっと自分を表現できるようにとの願いを込めて2010年に立ち上げられたもので、パリ、ストックホルム、ロサンゼルスにアトリエを構え、既製服からアクセサリー、シューズまで幅広く取り扱う。

H&Mデザインディレクターのパニラ・ウォルフォルト氏は「実店舗の新規出店は多くのチャンスをもたらす。ぜひたくさんの人に見ていただきたい。そして厳選された素材、最先端のデザイン、大自然にインスパイアされたインテリア、キッズファッション、スウェーデンのグルメなどを体験してもらいたい」と語ったと、中国メディア「華麗志(Luxe.CO)」が報じた。

H&Mの出店戦略とは対照的に、中国に進出している海外アパレルブランドはここ数年相次いで閉店に踏み切っている。損失を少しでも減らすためだ。

ある統計では、中国市場のファストファッションブランドが2018年から2019年にかけて、転換点を迎えたことが指摘されている。海外ファストファッションの代表格とも言えるH&MとGAPは中国事業の不振により、2018年の年間売上高がそれぞれ3.0%と18.2%減少し、ZARAの親会社「Inditex」の売上高伸び率も9.2%に鈍化している。英国のハイストリートブランド「TOPSHOP」と「NewLook」は2018年に、「Forever21」は2019年4月にそれぞれ中国撤退を発表した。2007年に中国で爆発的人気を博したH&Mも2020年に全世界の80%にあたる店舗の一時閉鎖を発表している。

この流れの中、Inditexなどのファストファッションは、ZARAのような主力ブランドを残しつつ姉妹ブランドの店舗数を削減し、オンライン販売メインへと移行を進めている。しかしH&M傘下のARKETと&Other Storiesは実店舗の新規出店を選んだ。新たなブランドを投入し、プロモーションすることで競争力を上げようというのだ。

ARKETと&Other Stories中国1号店の立地に北京と上海を選んだことからして、大都市に住む消費者の購買力に期待を寄せていることが分かる。新型コロナウイルス感染症の影響で中国のファッション消費は二極化が進んでおり、ある調査では高収入層の54%は高品質で機能的な商品にお金をかけると答えているという。

また2つのブランドはどちらも、生活にまつわるさまざまな商品をそろえた「ライフスタイルショップ」という特色を打ち出し、北欧テイストのライフスタイルやファッションをトータルで提供している。

ARKETは創業当初からライフスタイルブランドとして、ファッションやインテリア、雑誌などを取り扱ってきた。一部の店舗ではカフェを併設して北欧グルメやドリンク、さらにスウェーデンのベーカリーなどとコラボしたメニューを販売している。

&Other Storiesはレディースファッションのほか、シューズ、バッグ、アクセサリーなどもそろえている。ソーシャルECアプリ「小紅書(RED)」でブロガーがおすすめしたハンドクリームは同ブランドの大ヒット商品となった。

&Other Storiesハンドクリームを取り上げた小紅書の投稿

今この時期にARKETと&Other Storiesを中国市場に投入して新たな道を模索するH&Mの戦略が果たして吉と出るか。今秋、実店舗オープン後の業績に注目したい。

(翻訳・畠中裕子)

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