EV分野のアンドロイドを目指す フォックスコン「クルマづくりの野望」(二)

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電子機器受託製造大手「フォックスコン(Foxconn Technology Group、富士康科技集団)」の自動車分野に関する重要ニュースが、ここ1カ月ほど各メディアで頻繁に取り上げられている。事業の大半を停止している新興電気自動車(EV)メーカー「バイトン(BYTON、拝騰)」への出資や、自動車大手「吉利汽車集団(Geely Automobile)」との折半出資で合弁会社を設立し「世界の自動車メーカーやモビリティ関連企業に受託製造とカスタマイズ顧問サービスを提供する」としたことを発表した。

新エネルギー自動車市場において、フォックスコンは受託製造にとどまらず、より大きな野望を抱いているように見える。

前篇:EV分野のアンドロイドを目指す

クルマづくりの冬眠期

フォックスコンが自動車分野に参入する兆しは早くからあった。投資と提携により、新エネルギー自動車分野で欠かすことのできない役回りとなるよう取り組んできたのだ。

2016年、フォックスコンの子会社「鴻準精密工業(Hongzhun Tech)」が「滴滴出行(Didi Chuxing)」に1億1990万ドル(約127億円)を投資し、0.355%の株式を取得。17年には、ホンハイ傘下の「富泰華工業(Futaihua Industry)」が中国の車載電池大手「寧徳時代(CATL)」に10億元(約160億円)を投資し、1.19%の株式を取得した。18年には、フォックスコンとアリババ、IDGキャピタルが共同リード・インベスターを務め、小鵬汽車にシリーズBで総額22億元(約360億円)を投資している。

2005年以降の自動車およびモビリティ関連分野への投資状況(全天候科技の概算統計より)

以上の状況から、新エネルギー自動車分野の「勢力図」におけるフォックスコンの位置付けが明らかになってくる。

受託製造のトップ企業であるがための焦り

アップルをはじめ各スマホメーカーの受託製造により、フォックスコンは「世界の受託製造の王」として君臨してきた。しかし、財務報告からみると受託製造事業の利益は下降の一途だ。親会社のホンハイグループに帰属する純利益は16年が1514億台湾ドル(約5730億円)、17年が1354億台湾ドル(約5123億円)だったが、19年は1153億台湾ドル(約4364億円)まで下がっている。

より高い利益、より安定した生産体系のために、アップルは19年より電子機器の受託製造サービス(EMS)企業「ラックスシェア(立訊精密工業)」と音響部品会社「ゴアテック(Goertek、歌爾)」を新たな受託製造パートナーとし、Airpodsの主要サプライヤーとした。

ラックスシェアは2020年11月、台湾のAppleの組立サプライヤー「ウィストロングループ(緯創集団)」のスマホ製造事業買収を発表し、中国本土初のアップル受託製造企業となった。ウィストロンとフォックスコン、台湾受託製造サービス大手「ペガトロン(和碩)」の3社が世界のアップルの生産受注を山分けすることになった。アップルのサプライチェーンにおける地位を確保するため、フォックスコンは20年にベトナムに新会社を設立している。一部のiPadとMacBookの組み立てラインを移転し、段階的なコスト削減を狙っている。

ホンハイグループ創業者の郭台銘氏は2018年の株主総会で、今後5年がホンハイにとって極めて重要な転換期になると発言している。焦りを見せるフォックスコンに、EVへの転換によりもたらされる受託製造のチャンスは巨大な誘惑材料となった。

とはいえ、多くの自動車業界関係者は、フォックスコンがこのチャンスをつかむのは容易ではないとみている。

全国乗用車市場情報連合会(CPCA)の崔東樹氏は「加工企業とイノベーション企業のモデルは全く異なる。外部の認識はともかく、フォックスコン自身はクルマづくりへの参入を大きなチャンスだと捉え、懸命の努力を重ねていくだろう」との考えを示した。

作者:全天候科技(WeChat公式アカウント:iawtmt)、于恵如

(翻訳:lumu)

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