36Kr Japanで提供している記事以外に、スタートアップ企業や中国ビジネスのトレンドに関するニュース、レポート記事、企業データベースなど、有料コンテンツサービス「CONNECTO(コネクト)」を会員限定にお届けします。無料会員向けに公開している内容もあるので、ぜひご登録ください。
原文はこちら
セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録
Ready To Drink(以下RTD)のお酒のブランド「WAT」がプレシリーズAで数千万元(数億円)を調達した。「ベルテルスマンアジア投資基金(BAI)」が主導し、エンジェルラウンドに参加した複数の投資家も出資した。今回調達した資金は組織体制や販売チャネルの構築、体験型店舗の設置、サプライチェーンの整備、マーケティングの実施などに充てる。
創業者のRoyal氏は、世界ではRTDの酒はビール、ワインや蒸留酒をはるかに上回るスピードで伸びているが、中国での1人当たりの消費量は日本の150分の1、米国の50分の1にとどまっていると指摘したうえで、RTDの浸透率は上昇しており、中国の若い消費者で次第に人気が出ていると話した。
WATは2019年11月に台湾で設立され、当初はミシュランの星を獲得したレストランとのコラボレーションで瓶入りカクテルを発売、さらに瓶入りカクテルを置いたバーでトレンドに敏感な若者を魅了した。おしゃれなデザインの瓶で「SO WAT」をタグラインとし、「多様な個性、型にはまらない」ブランドイメージを確立した。
ラインナップは高級酒と大衆酒の2路線。高級酒はバーテンダーやミシュラン店とのコラボによる瓶入りカクテルで、100mlで40~50元(約650~800円)。大衆酒は缶入りの炭酸アルコール飲料で、約330ml で10~12元(約160~200円)だ。
Royal氏は、現在の消費者は酒を飲んだ時の口当りを重視するとみる。「RTDのお酒は味の変化が最大の強みで、WATは一目で違いが分かるブランドを目指す」話した。飲料で健康が重視されるようになり、アルコール度数の低いお酒にチャンスが巡ってきた。WATの商品は天然の原料を使用した低糖質で健康的なお酒であり、一人飲み、宅飲み、カジュアルな飲み会に適している。
WATのバーテンダー陣には賞を受賞した者が数多くいる。サプライチェーンは中国と台湾にあるが、今後は中国を重視していく予定だ。
マーケティングでは商品に絡んだ話題づくりを仕掛けている。2020年12月には台湾の有名な歌手の年越しコンサートに合わせ、大晦日と元旦限定のカクテルを販売した。オンラインの販路はWeChatミニプログラムのほか、今年3月にはアリババ傘下のECモール「天猫(Tmall)」、ショート動画アプリ「抖音(Douyin、TikTokの中国国内版)」のECサイト「抖音小店(Douyin Xiaodian)」などでも相次いで店舗をオープンする。オフラインではコンビニ、スーパー、レストランなどの販路を整え、「今飲みたい」という需要に対応してO2Oのチャネルも同時に整える予定だ。
Royal氏は消費者の店舗体験を重視している。独創性の高い店舗は話題を呼び、坪売上を上げられる。標準化した体験型店舗は他都市でも流用でき、ブランドの知名度向上につながるとみる。実店舗は台北に1店舗あり、中国では今年第2四半期に体験型店舗を開業する予定だ。店舗では客自らカクテルをつくることができ、店のスタッフも飲み方や調合をアドバイスする。季節限定商品も店舗で販売する予定だ。
創業者のRoyalこと趙欣栄氏は「WI Harper VC(中経合資本)」出身。2010~2018年はヘルスケア関連のIT企業でCEOを務めた。共同創業者の陳鎮川氏は音楽クリエーターで、芸能事務所を創業。現在は別の芸能事務所の総経理を務める。
(翻訳・二胡)
36Kr Japanで提供している記事以外に、スタートアップ企業や中国ビジネスのトレンドに関するニュース、レポート記事、企業データベースなど、有料コンテンツサービス「CONNECTO(コネクト)」を会員限定にお届けします。無料会員向けに公開している内容もあるので、ぜひご登録ください。
原文はこちら
セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録