3ヶ月で29社に投資!テンセント、競争激化の中国ゲーム市場でバイトダンスと買収合戦

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3ヶ月で29社を傘下に!テンセント、競争激化の中国ゲーム市場でバイトダンスと買収合戦

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3月22日、TikTokを手掛けるバイトダンスのゲーム部門「Nuverse(朝夕光年)」がゲーム開発企業の「Moonton(沐瞳科技)」を買収したことがわかった。買収後のMoontonはこれまで通り海外市場の開拓を中心とする。

買収額は公表されなかったが、一部報道によるとバイトダンスは100億元(約1700億円)の現金を支払い、150億元(約2600億円)相当の株式を譲与したという。事実ならば約40億ドル(約4400億円)相当となり、2021年のゲーム業界でもっとも高額な投資案件となる。

Moontonは東南アジア市場を得意とし、5年前に海外でMOBA(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)ゲーム「無尽対決(Mobile Legends:Bang Bang)」を発表した。アプリのサイズが軽く、低スペックのスマホでも快適に遊べるなどの特徴により人気を博し、現在もMAU(月間アクティブユーザー数)9000万人以上を誇る。

調査会社の「Sensor Tower」によると、2020年1月時点での「無尽対決」の累計売上高は5.02億ドル(約550億円)で、東南アジア市場での売上高は3.07億ドル(約340億円)だった。

Moontonに投資したのはNuverse傘下の「奇想基金(Nuverse Inspiration Fund)」だ。奇想基金は3月19日に設立され、ゲーム企業への投資を専門としている。

ゲーム事業の経験が浅いため、現時点ではバイトダンスは有力企業の買収によって事業を拡大している。テックメディアの「全天候科技(All Weather TMT)」が公開された情報を基に概算したところ、バイトダンスまたはその傘下企業が投資、買収したゲーム企業は30社に上り、また2020年下半期だけで4社に投資していることがわかった。

ゲームや広告はインターネット企業にとってキャッシュ・フローをもたらしてくれる重要な事業で、ニュースフィード広告の運営からスタートしたバイトダンスが、広告の次にゲームに意欲を見せたことは想定内だと言える。同社は2019年から正式にゲーム事業を展開し、今年2月にはNuverse単独の公式サイトを開設した。Nuverseはコアゲーマー向けのゲームを中心としており、北京、上海、広州、深圳、杭州にスタジオを持つ。

Nuverseのほか、バイトダンスにはカジュアルゲームパブリッシャーの「Ohayoo」、インディーズゲームパブリッシャーの「Pixmain」、クラウドゲームプラットフォームの「嗷哩遊戯(Aoli Game)」などがある。

テンセントへの挑戦

中国のゲーム事業のトップはテンセントだが、バイトダンスのように同社に挑戦しようとする企業は後をたたない。4年近く前にゲーム事業に乗り出したアリババも強力なライバルの一つだ。

アリババは2017年9月に、「網易(ネットイース)」の元COO詹鐘暉氏が設立したゲーム企業「簡悦科技(EJOY)」を買収した。EJOYが開発したスマホSLG(シミュレーションゲーム)『三国志・戦略版』は中国で大きな成功を収めた。同ゲームは、昨年10月にはApp StoreとGoogle Playでの月間売上高が先月比253%増、前年比226%増の6100万ドル(約67億円)となり、アリババのゲーム事業「アリババゲームス」の月間売上高の最高記録を更新し、アリババゲームスの売上高の84%を占めるほどの好成績となっている。そのうち、App Store中国エリアでの売上高が5200万ドル(57億円)超で、1ダウンロードあたりの課金額が37.8ドル(約4200円)だった。

上記の大手企業だけでなく、新興ゲーム企業も相次いで登場している。

昨年、「莉莉絲(Lilith Games)」は、『剣與遠征(AFK Arena)』『万国覚醒(Rise of Kingdoms)』の世界的な人気によりゲームパブリッシャーの世界27位に躍進し、「IGG」、「三七互娯(37 Interactive Entertainment)」といった大手ゲーム企業よりも上位に立った。「米哈遊(MiHoYo)」は『原神(Genshin)』の成功で昨年10月に売上高が先月比で567%伸び、月間パブリッシャーランキングで世界2位に躍り出た。

大小様々な挑戦者が登場するなか、テンセントもトップの座に安住しているわけではない。公開された情報によると、テンセントは、2020年にはゲーム業界で37回の投資を行い、2021年は3月26日の時点ですでに29社に投資している。

ゲームは新型コロナ禍でも成長を続ける数少ない業種の一つで、バイトダンスとテンセント以外にも、ビリビリ動画、三七互娯、「心動網絡(X.D. Network)」、「吉比特(G-bits)」、IGGなどが買収を繰り返している。激しい買収合戦は、まだしばらく続きそうだ。

原作者:全天候科技(Wecat: ID:iawtmt) 包校千

(翻訳・小六)

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