自動車のEV化とスマート化で産業チェーンに変化 中国企業にチャンス到来か

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自動車産業は数多くの部品メーカーによって支えられており、一国の自動車産業の実力を測るには、自動車メーカーと部品メーカーからなる産業チェーン全体を見なければならない。

米の自動車専門誌『オートモーティブ・ニュース』が発表した2020年部品メーカートップ100のうち、中国企業は7社しかなく、最高順位が19位だ。2016年時点の2社からは大きく増えたが、日本の24社、米国の21社、ドイツの18社と比較すると差は歴然としている。

しかし、その差を埋めるチャンスがまさに目の前に来ている。自動車のEV化、スマート化によって、産業チェーン全体の再編が迫られている今は中国企業にとっての好機だ。

自動車産業への新規参入

EVへのシフトが世界的に起きている。内燃機関車と異なり、EVの中核部品はエンジンやギアボックスではなく、動力電池、モーター、電子制御システムだ。この3つだけでEVのコストの50%以上を占め、なかでも最もコストが高いのは動力電池だ。

その動力電池の産業チェーンが最も完備しているのが中国だ。2020年の動力電池企業トップ10のうち、6社が中国企業である。トップは「寧徳時代(CATL)」で、EV大手のBYDが4位となっている。

スマート化の分野では、自動運転が最も注目されている。先日行われた上海モーターショーでは、ファーウェイとドローン世界最大手の「大疆(DJI)」が自動運転ソリューションを出展した。なかでもファーウェイの「ARCFOX α」は公道試乗会を開催し、世界中のメディアの注目を浴びた。

自動運転のほか、スマート化と関連するスマートコックピットも重要だ。スマートコックピットの性能を決めるのはチップの計算力であり、この分野ではクアルコムがトップを走る。インテル、ルネサスがそれに続き、さらにその後を米テキサス・インスツルメンツ、オランダのNXPセミコンダクターズ、台湾のメディアテックが追う。

チップに関しては、中国企業の開発開始が遅かったため、まだ上記企業と肩を並べられる企業はない。自動車産業に限って言えば、ファーウェイの自動車向けチップや、スタートアップの「地平線(Horizon Robotics)」のチップ一体化ソリューションが目を引く。特に後者は上海モーターショーで17の自動車メーカーや部品メーカーと契約を締結することができており、今後の成長が期待される。

異なる考え方

ボッシュ、コンチネンタル、アプティブなどの大手一次サプライヤーもEV化、スマート化に適応しようと急速に変革を進めている。経験の差があまりにも大きいため、客観的に見て、新興企業が彼らに追いつくのは難しい。しかし、新時代の自動車には新たな課題があり、この点なら新興企業でも十分に勝負できる。

なかでも一際大きな課題が、自動車の制御方式の変更である。従来の自動車は車両の機能を異なるモジュールに分けて捉え、それぞれのモジュールを分散制御する形だった。しかし、スマート化によりデータ通信の量と速さが急増し、分散制御では対応できなくなっている。そのため、将来的には中央制御にシフトすることが必要となる。

中央制御へのシフトでは、従来の自動車メーカーと部品メーカーは、あくまで自動車の車体をメインとし、スマート化を付属機能として捉えている。この方針のもとでは、スマート化のための改良は一部ずつ行うことになる。

一方、新興企業は自動車を車体から捉えるのではなく、計算能力を中核に据える。車体は計算するシステムを覆う外殻に過ぎないのだ。そのため、新興企業は改良ではなく、スマートカー向けの全く異なる計算・通信アーキテクチャーを開発している。

どちらの道を取るにしても、最終的に中央制御になることは確かだ。それに伴い、従来の企業間の協力体制も変化するだろう。内燃機関車時代の部品メーカーはサプライヤーに徹するだけで十分だったが、スマートカーでは開発の段階から一体として構想しなければならず、部品メーカーと自動車メーカーの共同開発が必要になる。ファーウェイとARCFOXがまさにそのような提携関係だった。従来の大手自動車メーカーもいずれこの手法を取ることになるだろう。

自動車産業の巨大企業とテック大手は、資金、技術、エコシステムなどの面で全面的な競争を展開しつつある。スマートフォンがフィーチャーフォンに取って代わったような変化が起きるのか、これからも注目していきたい。

作者:深響(WeChat ID:deep-echo)、周永亮

(翻訳・小六)

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