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今月17日、中国通信事業最大手「チャイナモバイル(中国移動)」の香港上場企業が人民元建てA株の発行申請計画を発表した。発行予定株式数は9億6500万株以下という。
公告によると、今回調達する資金は5Gネットワークの構築、クラウドコンピューティングの新型インフラ建設、スマートミドルオフィスプラットフォームの構築などに充てる。チャイナモバイルは今回の中国株式市場回帰により、機能の相互補完、資源の共有、他社と協力しながら発展を目指す新しい協力メカニズムをつくり、さらにスマート化を加速させたいとしている。
チャイナモバイルは、実はもっと早い時期にA株上場計画をスタートさせていた。
2020年度の決算説明会でチャイナモバイルの楊傑董事長は「A株上場は企業発展を促し、その利益を多くの顧客に分かつ機会が増えると確信している」と話している。
チャイナモバイルが上場に成功すれば、「チャイナテレコム(中国電信)」「チャイナユニコム(中国聯通)」を含む中国三大通信キャリアがA株で一堂に会することになる。
今年3月、チャイナテレコムは香港証券取引所の公告で、A株発行を申請して上海証券取引所のメインボードに上場する計画を発表。発行株式数は120億9300万株以下で、調達した資金は5Gの産業用インターネットの構築、クラウドとネットを融合させた新型情報インフラおよび科学技術イノベーションの研究開発の各種プロジェクトに充てるとしている。
今月7日、チャイナモバイル、チャイナテレコムとチャイナユニコムは、ニューヨーク株式市場の上場廃止を相次いで表明した。
注目すべきは、三大キャリアのうち、チャイナモバイルの売上高が基本的にチャイナテレコムとチャイナユニコムの合計に相当することだ。
公式資料によると、20年チャイナテレコムの売上高は3936億元(約6兆6500億円)、純利益は208億5000万元(約3500億円)、チャイナユニコムの売上高は3038億元(約5兆1000億円)、純利益はわずか124億9000万元(約2100億円)だった。一方、チャイナモバイルの売上高は7680億元(約13兆円)に達し、純利益は1078億元(約1兆8200億円)でチャイナテレコムとチャイナユニコムは足元にも及ばない。そのため、チャイナモバイルのA株上場に市場は非常に注目している。
5月18日、チャイナモバイルの香港株式市場での終値は2.66%上昇して50.1香港ドル(約700円)をつけ、時価総額は1兆300億香港ドル(約14兆円)になった。
以前、野村証券もリポートの中で「有利な競争環境と新規事業の急成長により中国の三大通信キャリアのサービス関連の売上高は20年に回復したが、5Gネットワークの運営コスト上昇で全体の粗利益率は下押し圧力が続いている。21年2月末時点の5Gプランのユーザーは三大通信キャリア合計で3億6100万人、普及率は22.6%」と指摘している。
(翻訳・二胡)
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