中国アートトイメーカー、「日本での成功必須」と語る理由

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ポップカルチャーとアーティストのオリジナリティを融合させたアートトイが世界中の若者をとりこにしている。近年のブラインドボックスブームも、アートトイの爆発的な人気に火を付けた。

中国でも、香港市場に上場するアートトイブランド「POP MART(泡泡瑪特)」、キャラクターグッズや模型などを製造販売する「52TOYS」、エンターテインメント企業「十二棟文化(Block12 Culture)」、ブラインドボックスを手掛ける「尋找独角獣(Finding Unicorn)」などが急成長している。しかし、ブラインドボックスブームが下火となり、中国市場はすでに飽和状態となっている。急成長の勢いを止めまいと、中国アートトイブランドはより広い市場を求め、海外展開を狙っている。

日本はアートトイの「試金石」

アートトイの始まりは90年代の日本と香港にさかのぼる。日本のアートトイ市場は非常に発展しており、一つの人気IPからさまざまな派生商品が展開されている。日本のアートトイは当初、多くが「ワンピース」「NARUTO -ナルト-」「機動戦士ガンダム」などのアニメ作品を題材としていた。現在は、デザイナー独自のコンセプトに基づいて作り出されたアートトイの人気も高まりつつある。

玩具メーカー、メディコム・トイが手掛けるクマのフィギュア「BE@RBRICK(ベアブリック)」がその典型例だ。ドリームズの「ソニーエンジェル」やデビルロボッツの「トーフ親子」なども日本発アートトイの代表格となっている。

画像出典:「Unsplash」(左)、デビルロボッツFacebookページ(右上)、ソニーエンジェル公式サイト(右下)

キャラクターIP事業を展開する十二棟文化の創業者、王彪氏は「日本はIPグッズの発祥地であり、この業界の親分的存在だ。実力を証明したければ、日本市場で力を発揮する必要がある」との見解を述べた。

海外顧客の獲得について、王氏は「自国の文化を直接アプトプットするのではなく、まず国内外の消費者に共通する人間性をしっかり捉えなければならない。その上で、記号化やイメージ化を経て商品化し、伝えたい思想や文化をアウトプットする。当社が擁する人気キャラクター『長草くん』の頭に付いた草や丸みを帯びた体つきはある種の記号だ。その記号をベースに、異なる市場の消費者の好みに応じて微調整を行っている」と説明した。

十二棟文化は2014年に設立され、長草くんやタルバガンなど100を超えるキャラクターを展開してきた。WeChat(微信)のスタンプで有名になった長草くんは代表的なキャラクターだ。Facebook、ライン、Twitter、TikTokなどのSNSスタンプのほか、クレーンゲームやカプセルトイなどの形で海外展開しており、日本、米国、メキシコ、東南アジアに多くのファンを持つ。

画像提供:十二棟文化

日本は十二棟文化にとって重要な市場となっている。王氏は、日本はアートトイブランドの「試金石」だと指摘する。同社はバンダイナムコグループと提携し、東京にある大型ブラインドボックス専門店「ガシャポンのデパート」に長草くんを進出させることに成功している。このほか、長草くんはSNSスタンプや展覧会、書籍などを通じて日本での人気が広がっている。

今年4月末には、十二棟文化とJリサーチ出版が共同編集した中国語教材が日本で正式に発売された。長草くんが登場する日本初の書籍だ。

画像提供:十二棟文化

十二棟文化にとって、現地企業との提携やオンラインチャネルの活用などは海外市場進出の一過程にすぎない。海外での認知度の高まりとともに、ポップアップストアや直営店なども展開していく方針だという。

(翻訳:lumu)

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