医薬品業界にDXの波。トレーサビリティーシステムにより生産から流通まで可視化

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医薬品業界にDXの波。トレーサビリティーシステムにより生産から流通まで可視化

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サプライチェーンのデジタル・トランスフォーメーション(DX)を支援する「愛創科技(Acctrue)」がシリーズCで1億元(約17億円)弱を調達したことがわかった。リード・インベスターは未公表、コ・インベスターは「同創偉業(Cowin Capital)」が務めた。

愛創科技は2004年創業で、医薬品や日用消費財業界向けのトレーサビリティーを向上させるソリューションを得意とし、生産から流通、小売、使用までの全プロセスをカバーする。

前回の資金調達の時点と比べると、愛創科技のソリューションはより広い範囲をカバーできるようになり、海外での動きも追跡できるようになった。今年下半期には生産設備のデータを採取するサービスも開始する予定で、より全面的なトレーサビリティーの実現を目指す。

トレーサビリティー向上やサプライチェーンのデジタル・トランスフォーメーションは各企業が実施しており、ソリューションを手掛ける企業も数多く誕生した。愛創科技の謝朝暉董事長は、同業他社と比べた場合自社の強みは次の2点に集約されると話す。

まず、ターゲット顧客が明確なこと。愛創科技の主な顧客は医薬品と日用消費財業界の企業で、なかでも医薬品業界でのシェアが70%、顧客が3000社超に上る。日用消費財業界では、中国の「雪花啤酒(Snowflake Beer)」や、ハイネケン、カールスバーグなど大手ビールメーカー、乳製品メーカーの「伊利集団(Yili Industrial Group)」、「蒙牛乳業(Mengniu Dairy)」など大手顧客を獲得している。今後は工業用品、医療機器、タバコなどの業界の顧客を開拓する予定だ。

次に、他社よりも全面的なソリューションを提供できること。サプライチェーンのなかでデジタル・トランスフォーメーションが最も難しいのは生産段階であり、愛創科技はこの段階の課題を解決する開発からスタートした。最大の難関をクリアしたことで、サプライチェーンのほかの段階への展開がスムーズに行われるようになり、全面的なソリューションが提供可能となっている。

画像は愛創科技より

ソリューションの導入効果について、謝氏は某大手飲料メーカーを例にとり説明した。同メーカーの商品は中国全土の数百万にも及ぶ店舗で販売されており、店舗を対象としたマーケティング費用が年間100億元(約1700億円)を超える。しかも、店舗の不正や販売員のミスなどでマーケティング費用が無駄になってしまうといったことも頻発していた。

愛創科技のソリューションを導入したところ、商品がどこにどれだけ出荷され、届くまでにどのくらいの時間を要したかなどのデータがリアルタイムで入手できるようになり、サプライチェーンの見える化が実現された。さらに、それぞれの店舗でどのような商品がどのタイミングで売れるのかも把握できるようになり、企業の経営戦略策定にとっても重要な参考データとなっている。

同サービスは顧客の商品の件数によって料金を徴収しており、基礎環境の整備が必要な場合は導入費用が発生する。顧客は中型から大手企業がメインで、客単価は年間数十万元(数百万円)から数千万元(数億円)となっている。2020年の同社の売上高は2億元(約34億円)強だった

(翻訳・小六)

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