上場ブーム迎える中国トラック配車、「FOR-U(福佑)」も米SECに目論見書提出

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上場ブーム迎える中国トラック配車、「FOR-U(福佑)」も米SECに目論見書提出

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2021年に入ってから、トラック配車プラットフォーム各社の上場に向けた動きが目立ってきた。「貨拉拉(Lalamove)」、「快狗打車(KuaiGou DaChe)」は年内に上場すると報じられ、「滴滴貨運(DiDi Huoyun)」は今年初めに資金調達を行った。5月28日には、ソフトバンクも支援している「満幇集団(Full Truck Alliance Group、FTA)」がニューヨーク証券取引所に目論見書を提出した。

その満幇集団よりも先に目論見書を提出したのが「福佑卡車(FOR-U)」だ。創業6年目の同社は中長距離の幹線輸送を主とするトラック配車プラットフォームで、ビッグデータとAIで物流の効率化を図っている。中国全土でサービスを展開しており、プラットフォームに登録しているトラック運転手は58万人、これまで320万回のマッチングを行っている。

福佑卡車は5月13日に米国証券取引委員会(SEC)に目論見書を提出し、ナスダック上場を目指している。証券コードは「FOYO」で、証券引受業者はゴールドマン・サックス、スイスのUBS、中国の国有投資銀行「中金公司(CICC)」だ。

資金調達と持株比率

福佑卡車はこれまでに8回の資金調達を行っており、出資者には「梅花資本(Plum Ventures)」、「鐘鼎資本(Eastern bell Capital)」、EC大手「京東(JD.com)」傘下の「京東物流」、「経緯中国(Matrix Partners China)」などがある。直近の資金調達は2021年4月のシリーズEでの2億ドル(約220億円)だ。

福佑卡車の筆頭株主は持株比率12.4%の「Miracle Dream Investment Inc」で、これは同社創業者単丹丹氏が支配する企業である。その次が投資会社の鐘鼎資本で、持株比率は11.8%だ。

ビジネスモデルと財務状況

トラック配車プラットフォームは、中国での物流に対するニーズの増加によって誕生したもので、最新の技術を用いて効率化を図るのが近年のトレンドだ。

福佑卡車は自社で輸送をせずにマッチングサービスに特化しており、特長は運転手が確実に業務を履行するシステムを構築したことである。同社はビッグデータとAIで最適な運転手をマッチングし、見積もり、発送、納品、決済の全プロセスの契約履行保証を提供する。運転手の稼働状況をモニタリングする専門部署もあり、これまで度々問題となっていた契約不履行のリスクを抑えることができている。

福佑卡車は自社で輸送しないため、売り上げはマッチングの手数料を主とする。主要業務の売上高はマッチングサービスとその他のサービスの2つからなり、2020年度の売上高35.659億元(約610億円)のうち、マッチングサービスが35.290億元(約600億円)、その他が0.370億元(約6億円)だった。2021年1~3月期は売上高11.833億元(約201億円)のうち、マッチングサービスが11.798億元(約200億円)、その他が0.036億元(約6000万円)だった。

目論見書によると、福佑卡車の売上高比率においては、長期的な取引を行う大企業に対するものが95%以上を占めている。2021年1月~3月期の大企業に対する売上高は10.609億元(約180億円)、中小企業に対する売上高は1.189億元(約20億円)だった。

福佑卡車の利用金額の上位3社は「徳邦物流(DEPPON LOGISTICS)」、京東物流、「順豊速運(SF Express)」で、2020年度はこの3社で売上高の55.8%を占め、2021年1〜3月期は45.3%を占めた。中小企業の利用金額は依然として低いが、企業数は今年3月末に1万社を超え、今後の成長が期待できる。

目論見書によると、2019年と2020年の福佑卡車の総原価はそれぞれ37.101億元(約630億円)、37.513億元(約640億円)で、純損失はそれぞれ2.339億元(約40億円)、1.158億元(約20億円)だった。普通株主に帰属する純損失はそれぞれ3.651億元(約60億円)、2.584億元(約44億円)だった。2021年1〜3月期の総原価は12.657億元(約220億円)、純損失は0.545億元(約9億円)、普通株主に帰属する純損失は0.887億元(約15億円)だった。

(翻訳・小六)

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