高級即席コーヒー「永璞咖啡」が資金調達。日本の殺菌技術導入

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高級即席コーヒー「永璞咖啡」が資金調達。日本の殺菌技術導入

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高品質のスペシャルティーコーヒーに特化した「永璞咖啡(YongPu Coffee)」がシリーズA+で5000万元(約8億5000万円)超を調達したことがわかった。シリーズAと合わせて1億元(約17億円)以上を調達したことになる。出資者は「衆源資本(Zhongyuan Capital)」と「麦星投資(Maison Capital)」だ。調達した資金はマーケティング、ブランディング、サプライチェーンの改良に充てられる。

永璞咖啡は各種コーヒーベース(希釈用コーヒー)を中心とするインスタントコーヒーを開発、販売している。主な製品にコールドブリュー(低温抽出)コーヒーベース、濃縮コーヒーベース、フリーズドライコーヒー、お茶とコーヒーを混ぜたティー・コーヒーなどがある。また、マスコットキャラクターの「石端正」を使ったショートアニメを制作している。

同社は2020年ダブルイレブンに2000万元(約3億4000万円)以上の売上高を記録し、アリババ傘下の「天猫(Tmall)」でコーヒーベースカテゴリーの売上ランキング1位となった。同社創業者の鉄皮氏によると、今年の618セール(6月18日前後に行われるECのセール・イベント)でも順調な滑り出しを見せ、売上高が前年同期比5倍となり再度天猫の1位となったという。

インスタントコーヒーは中国の消費者に長年親しまれてきたものだが、これまではネスレ、マックスウェルハウスなどの海外大手がこの市場を独占していた。近年の消費者の嗜好の変化により、「瑞幸咖啡(Luckin Coffee)」、「Manner」などを代表とするドリップコーヒーチェーン店が人気を博し、高品質なスペシャルティーコーヒーを提供する店も増えてきた。こういったトレンドのなかで、インスタントコーヒーにも新しい変化が生まれ、従来のインスタントコーヒーとは一線を画した無添加のフリーズドライコーヒーやコーヒーベースの人気が高まっている。

永璞咖啡はこうした市場の変化を背景に創業し、当初からコールドブリューコーヒーベースの開発をしてきた。しかし製品形態や冷蔵保存の必要性により消費シーンが限られていたため、日本からフラッシュパスチャライズ製法技術を導入し、瞬間冷却によりコーヒーベースの常温保存を可能にした。窒素ガス注入後に無菌パッケージにしたことで、添加剤なしで365日の常温保存が可能となった。

現在、永璞咖啡では各種フレーバーのコーヒーベースを開発しており、これまでヘーゼルナッツ味、紅茶味、宇治抹茶味、白桃烏龍味などを商品化してきた。今年の618セールに新発売したゆず味は初日に10万点を売り上げるなど大人気だ。

現時点では各種コーヒーベースが永璞咖啡の売上高の8割を占めている。それ以外ではフリーズドライコーヒーも人気があり、このほど1パックあたりの容量を2.8グラムから2グラムに減らしたミニパックを新発売し、コーヒー初心者がより気軽に試せるようにした。

鉄皮氏によると、永璞咖啡は2017年以降中国でコーヒーベース売上トップを保ち続けている。この数年間で消費者のなかでの知名度が高まり、購入者のリピート率は昨年末の28%から直近の35%へと上昇し、リピート客の客単価は200元(約3400円)だ。今年の目標売上高は去年の3倍である。

サプライチェーンの整備も進んでいる。同社はコーヒー豆の焙煎工場、コールドブリュー工場などに出資することで安定した生産能力を確保し、海外の有名コーヒー農園と戦略的提携を結んだ。今回調達した資金の一部は、中国国内の工場の生産ラインの構築に充てられる。

永璞咖啡の主な販売チャネルは天猫だが、今年6月初めにWeChatのミニプログラム「永璞小島」をローンチするなど、より自社でコントロールしやすいチャネルを開拓しようとしている。オフライン展開では、アリババ傘下の生鮮食品スーパー「盒馬鮮生(Hema Fresh)」での販売が始まり、コンビニ展開も検討中だ。さらに、年内にコーヒー文化を発信するための体験型店舗を出店する予定だ。

(翻訳・小六)

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