料理の幅が広がる増粘剤不使用の植物肉 中国のスタートアップが資金調達

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料理の幅が広がる増粘剤不使用の植物肉 中国のスタートアップが資金調達

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植物肉ブランド「妙鮮(MEAT FRESH)」がエンジェルラウンドで数百万元(数千万円)を調達した。出資者は杭州市拱墅区政府。調達した資金は製品の研究開発と市場開拓に充てる。

2019年設立の妙鮮は大豆のたんぱく質を原料とする植物由来食品のブランドだ。コレステロール、ホルモン、抗生物質がゼロで、低カロリー、低脂肪、増粘剤不使用が売りだ。妙鮮の植物肉は、企業と個人に販売する。企業向けには主に外食チェーンと提携しているほか、未開拓市場である個人向けも重点的な掘り起こしを狙っている。今後は個人に合わせた栄養食を取り扱い、ミニプログラムなどで販売する予定だ。妙鮮は上場している合弁企業と協力し、植物肉を使った下ごしらえ済み食材をシリーズで販売している。全国500以上の販路で販売するほか、1000の病院が導入予定で、現在一カ所の病院で取り扱いを開始している。

創業者の陸傑樑氏は「妙鮮が扱うのは健康食品であり、多くの人に利用してもらいたい。偏食の習慣があると慢性病、癌、脳・心血管疾患を頻繁に引き起こす。肉を食べる消費者が疎外感を感じないように、妙鮮は菜食を殊更に強調しない」と話す。

妙鮮の植物肉は大豆たんぱく質を使用し、機械で高温、高圧処理をする。妙鮮は植物由来の複数のシリーズを開発し、肉の風味もさまざまだ。陸氏は、従来の植物肉は増粘剤を含むことが多いが、妙鮮の商品は植物由来の増粘剤が入っておらず、蒸したり煮たりできると語った。

陸氏は「妙鮮の植物肉はたんぱく質分子の切断と修飾技術を使う。食品加工技術の向上により、植物由来の長鎖分子を切断して動物由来のような短鎖分子のたんぱく質にできるようになった。適切な温度で適度の圧力をかけ、短鎖分子のたんぱく質に特定のアミノ酸を加えて活性化させると、分子のミクロ構造が動物由来の短鎖分子のたんぱく質にさらに近づく」と話す。

妙鮮の植物肉はハンバーグ、餃子、肉団子のような中国の家庭料理や西洋料理に利用でき、将来的にはミニプログラムで栄養食を販売する予定だ。同社によると、味の淡白な菜食や伝統的な精進料理とは異なり、栄養食を好む人向けに開発した食事だという。

妙鮮の商品

植物肉は近年資本市場で非常に注目されており、データ会社「IT桔子」によると、20年には世界の代替肉業界への投資額は80億元(約1400億円)以上になった。市場調査会社ユーロモニターの予測では、23年までに中国の代替肉市場の規模は130億ドル(約1兆4000億円)に達する見込みだ。同業者にはビヨンドミートなどがいる。

陸氏は、植物肉を始めたのは大部分が欧米のブランドで西洋料理の調理方法が主になっているためで、中国の植物肉ブランドにとっては市場の認知度向上と中国人の味の好みや調理習慣に合わせることが課題だと話す。

陸氏は栄養士出身で、長年食事の研究を行ってきた。また、大手グループとの業務提携の経験も長い。

妙鮮は現在新たな資金調達を進めているという。

(翻訳・二胡)

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