繁殖ブームで犬猫の遺伝子疾患急増。ペットのDNA検査提供する企業も登場

国際市場調査会社ユーロモニターの2015年の調査によると、中国では全世帯の8%が犬を、3%が猫を飼っている。少なくとも4730万世帯が犬か猫を飼っている計算になるが、ペット市場自体は発展途上の段階にあり、繁殖環境も整っているとは言い難い。純血種にこだわった結果、近親交配を繰り返し、犬や猫に遺伝性疾患が頻発している。

犬を例にとると、遺伝性疾患は500種にも上る。ラブラドール・レトリーバーには眼疾患や股関節形成不全が多いなど、犬種によって異なる傾向が見られるという。全遺伝性疾患の発症率は25%以上とも言われるが、臨床現場では対応が後手に回っているのが現状だ。繁殖の段階でこれを食い止めることができれば、病気に苦しむペットも少なくなる。

2016年6月に設立された萌寵基因(Pet Gene)は、ペット専門の遺伝子検査を提供する。科学機器・試薬メーカーのサーモフィッシャーサイエンティフィック(旧アフィメトリクス)と提携し、科学誌ネイチャーで発表されたデータや自社で蓄積したデータをもとに、5万パターンのDNAチップを開発、犬の遺伝性疾患145種類を検出する。繁殖段階で遺伝性疾患のリスクを下げ、獣医療の現場では疾患予防や治療に応用するほか、職業犬の選別や繁殖にも利用が検討される。

現在は、遺伝性疾患検査のほかに犬種鑑定、血統確認、医薬品の効果や副作用に関する体質検査、栄養や運動の適正検査などを包括する犬向けの遺伝子検査を実施している。10月には猫向けの検査もスタートする予定だ。現段階ではブリーダーや獣医科医院などの事業体を主要ターゲットとしているが、個人向けにも1500元(約2万5000円)でサービスを提供している。

萌寵基因は犬の遺伝子検査を専門とする米企業Embarkをベンチマークと定め、すでに5000頭に検査を実施した実績を持つ。検査には、次世代シーケンシング(NGS)よりも診断が迅速で、コストを10分の1に抑えられるDNAチップを採用している。ただし、現段階では全遺伝性疾患をカバーしているわけではない。さらに、遺伝性疾患の発症には外的要因も関わるため、発症の有無や時期を確定できるわけではない。疾患リスクの検出後に続く治療や対応についても未整備だ。

また、そもそも中国のペット市場自体がまた成長段階にあり、DNA検査に対するニーズが拡大するに至っていない。

創業者でCEOの王帆氏はもともと投資家として活躍していた。華僑城集団、康佳集団(KONKA)でシード投資に従事し、主に医療分野を担当したキャリアの持ち主だ。共同創業者の王俊力氏は華大基因科技(BGI)で数多くの全ゲノムシーケンス(WGS)プロジェクトの責任者を務めてきた人物。萌寵基因は今年10月にも数百万元の調達を目指している。
(翻訳・愛玉)

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