3Dコンテンツの制作を『民主化』、ノーコード制作プラットフォーム「Yahaha」

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娯楽コンテンツ制作プラットフォームを手がける「Yahaha Studios」が、ノーコードで開発が可能な多人数参加型プラットフォーム「Yahaha」をリリースしたことが36Krの独自取材でわかった。

Yahaha Studiosは設立半年以内に3回の資金調達に成功し、シリーズA1では大手VC「五源資本(5Y Capital)」や「真格基金(Zhen Fund)」、スマホ・IoT機器大手シャオミ(Xiaomi)が、シリーズA2では「高瓴創投(GL Ventures)」「ベルテルスマンアジア投資基金(BAI)」が、シリーズA3では米ヘッジファンド「コーチュー・マネジメント(Coatue Management)」や「ビリビリ動画(bilibili)」が出資している。シリーズA3後、同社の評価額は数億ドル(数百億円)に達している。

Yahaha Studiosは2020年に設立され、創業メンバーは主に、ゲームエンジン「Unity」開発元の「ユニティ・テクノロジーズ」出身者だ。3Dを用いたインタラクティブコンテンツやソーシャルネットワーキングのプラットフォーム構築を目指している。36Krは創業者のChris氏を取材し、同社の設立理念や早期に資金調達が実現した背景について聞いた。

「Yahaha」使用中のキャプチャー画像(画像提供:Yahaha Studio)

「わかりやすく言えば、Yahahaのミッションは3Dコンテンツの制作・消費を『民主化』することだ。一般ユーザーによるオリジナルゲーム開発を可能にしたゲーミングプラットフォーム『Roblox』や、開発者向けゲームエンジン『Unity』はその先駆者といえる。Yahahaはさらに踏み込んで、ほぼ『ゼロスキル』でもコンテンツ制作ができるプラットフォームをリリースした。製作者はノーコードで3Dコンテンツが開発でき、ワンクリックでYahahaのプラットフォームやコミュニティーに配信できる」と、Chris氏は説明する。

Robloxは子供向け市場で長年に渡って世界的な成功を収めている。デイリーアクティブユーザーは4000万人、プラットフォームを利用する開発者やクリエーターは800万人以上、リリースされたゲームは4000万本以上に上る。テンセントとも中国で合弁会社を設立しており、今年3月にはニューヨーク市場に上場、時価総額は一時期500億ドル(約5兆5400億円)を超えた。

世界最大のゲームエンジンの一つであるUnityも昨年9月にニューヨーク市場に上場しているが、Robloxがアマチュア開発者向けの閉鎖型エコシステムを構築しているのに対し、Unityはプロの開発者やメーカーにサービスを提供しており、月間アクティブユーザーは約200万人を有する。

YahahaはRobloxと同じくUGC(一般ユーザーが制作したコンテンツ)のプラットフォームだが、Robloxと異なるのは、Yahahaは産業用途での活用が集中するリアルタイム3Dコンテンツ業界で、発想力と制作力のミスマッチを解消する取り組みも行っていることだ。

Yahahaは現在約100人の技術者を擁し、年末には正式にWindows版、Mac版、モバイル版をリリースする予定だ。

「Yahaha」で開発中のキャプチャー画像(画像提供:Yahaha Studio)

技術と資金が急成長をけん引

Yahahaが急成長を遂げた理由の一つは、UnityとRobloxが上場したことでゲーム業界のコンテンツ供給力が多くの起業家や投資機関に認知され、資金が集めやすくなったことが挙げられる。もう一つは、Yahahaスタッフの技術と実績が豊富なことだ。

創業者のChris氏は上海交通大学でコンピューター科学を専攻。マイクロソフトやエレクトロニック・アーツ(EA)、ユニティ・テクノロジーズなどで経験を積んだ。2人の共同創業者もそれぞれユニティ・テクノロジーズの技術部門とプラットフォーム運営部門で管理職を務めた人物だ。

「Robloxは製品が際立っており、理念も素晴らしく、ゲームエンジンやフレームワークそのものも、配信されるコンテンツも欧米の子どもたちを惹きつけている。しかし、我々の目標はRobloxの二番煎じではない」とChris氏は述べ、「Yahahaの目標は中国市場あるいは子ども向け市場に限定せず、世界中のゲームユーザーにサービスを提供することであり、世界中の開発者やユーザーの間の障壁を取り払い、各年齢層のさまざまな需要を持つユーザーにピッタリの製品を届けることだ」としている。

Yahahaは現時点で上海、ヘルシンキ、ソウルの三カ所に拠点を構え、製品開発やグローバル展開を進めている。

「我々は開発者やユーザーに低コストで多様かつ高品質のコンテンツを備えた多機能プラットフォームを提供し、ゲーム業界のリアルタイムコンテンツがゲームメーカーや既存のチャネルに独占されている状況を覆したい」とChris氏は述べている。
(翻訳・愛玉)

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