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中国大手ECの京東(JD.com)と仏LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン傘下ブランドのブルガリは今月2日、京東のミニプログラムを通じた事業連携を開始した。外部のECプラットフォームとの連携はブルガリにとって初の試みだ。
今年4月には、京東とLVMHが試験的協力を開始。ユーザーが京東アプリで「ルイ・ヴィトン」や「LV」と検索すると公式ショップに移動し買い物を楽しめるようになっていた。(これより前にWeChatのミニプログラムで実現している)
今回の京東とブルガリとの事業連携は一歩進んでいる。ユーザーは京東アプリで「ブルガリ」と検索すると、京東アプリにあるブルガリのミニプログラムへ移動する。この後はユーザー情報を登録すれば買い物を楽しめる。
ユーザー情報の登録時には「個人情報を統計分析に使用することに同意します」のメッセージが出現する。高級ブランドにとっては相当慎重になる部分だ。公式旗艦店ではなくミニアプリからの登録は、消費者に直接アプローチできるプライベートトラフィックの獲得を狙ったものと思われる。これによりユーザーのデータは外部プラットフォームに流れることなく、ブランドが手にすることになる。
今回の連携において特筆すべきは京東が販売ツールとしてではなく、ブランドの販促拠点としての役割を担う点だ。
京東との連携の前、LVMHはWeChatのミニプログラムとLVMH運営のECサイト「24S」でのみオンラインショッピング事業を展開していた。京東やタオバオでルイ・ヴィトンを検索しても第三者のサイトに移動するなど、ユーザーの欲しい情報は得られていなかった。しかし、LVMH傘下のセリーヌやジバンシイが京東に自社運営の旗艦店を立ち上げたことなどが、他の傘下ブランドの京東との連携を後押ししたようだ。
高級ブランドと京東の連携モデルには2種類あるという。一つは京東がブランドの直営ショップを運営し、ブランドが直接商品を提供する方式だ。米化粧品大手のエスティ・ローダーなどがこれにあたる。もう一つは京東が外部パートナーとして、ブランドに対し金融サービスやAR(拡張現実)技術、正装した配達員が新エネルギー車で商品を配送するサービス「京尊達」などを提供するもの。京東は、高級ブランドに対しては1週間以内に無料でWeChatミニプログラムを開設してアクセス数向上をサポートするサービスを展開していると説明する。
今年3月末までに京東のアクティブユーザー数は5億人近くに上った。中国政府がEC市場の独占規制を呼び掛けたことで、京東にはさらなる成長のチャンスが生まれた。なお、昨年京東で最も多く検索されたワードは「LV」だったという。
(翻訳・Qiunai)
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