クリームチーズティーの「喜茶」が成都に進出、モデルチェンジに向けた実験店をオープン

岩塩入りクリームチーズがトッピングされたお茶でブームを巻き起した「喜茶(HEYTEA)」が、西南地区初の店舗を四川省成都市にオープンさせた。喜茶はすでに全国で100店以上を展開しているが、深圳、杭州、北京の3都市で「黒金主題店」と銘打ったコンセプトショップを展開しており、成都店はその4店舗目となる。

「黒金主題店」は内装や備品などにメタル素材を多用し、黒やグレーを基調としたシックな雰囲気が特徴。小売業界メディア「零售老板内参」によれば、成都店はラボラトリー形式の5つの空間を備えているという。

一つ目は、「茶極客(お茶マニア)ラボ」。地元の食材を組み合わせた茶飲料、成都店限定飲料を提供するほか、お茶関係の書籍を置き、お茶文化の浸透に努める。中に設けられたカウンターでは、茶師が新メニュー開発などを行う様子がライブで見られる。

二つ目は、パン工房「熱麦ラボ」。地元客の好みに合わせたパン、ー例えば、担々麺風味、麻婆豆腐風味、よだれ鶏風味など地元の郷土料理をモチーフとした商品を開発し、“ご当地パン”として提供していく。

残りの三つは、喜茶の関連商品をデザインするアトリエ、アーティストによる実演が定期的に披露されるサロン、クレーンゲームなどを配置したプレイ・スペース。来店客により楽しんでもらえる趣向が盛り込まれている。

このように、成都店では、よりレベルの高い総合的なサービスを提供していく。喜茶は当初、20平米足らずの小さな店舗でスタートしており、その後、デリバリー専門店「HEYTEA GO」、ベーカリー併設店「熱麦店」など様々な業態をオープンさせてきた。成都店は喜茶の完成形に近づいた店舗と言えるかもしれない。

喜茶の創業者、聶雲宸(ニエ・ユンチェン)氏は「商品を売って稼ぐことが我々の最終目標ではない。単に商品を売っても創造的価値を生まない。理想を言えば、世界にとって価値があるものを生み出したい」と意欲を見せている。

IT化と海外進出

聶雲宸氏が「お茶以外の問題は、ほぼITで解決できる」と語る通り、喜茶はIT化も積極的に推進している。例えば、今年6月にリリースした予約注文用のミニプログラム「喜茶GO」によって、顧客は事前に商品を注文し、受け取り時間を指定することで、わざわざ店舗に並ぶ必要がなくなった。ミニプログラムのリリースと同時に深圳で開店した「HEYTEA GO」では、「喜茶GO」を決済に導入することでレジを撤廃し、キャッシュレス店舗を実現した。

喜茶と言えば行列する店としても有名で、ネットでは「25元(約400円)の商品を購入するために7時間並んだ」という噂も立ったほど。「一過性のブーム」とレッテルを貼られることも多いが、喜茶は「日常生活に溶け込めるような存在でありたい」と主張しており、話題性だけで終わる存在になるつもりは毛頭ないようだ。

また、喜茶は海外進出にも積極的だ。すでに進出しているシンガポールや香港以外に、欧米諸国への進出も計画しており、聶雲宸氏は「海外でもスターバックスのように多くの店を構えたい。私たちは商品の質と価格に自信を持っている」と語る。

台湾ミルクティーブームの後、中国ではオリジナリティを押し出したニュータイプの茶飲料が人気となっている。喜茶以外にも「奈雪の茶」「楽楽茶(LELECHA)」「煮葉(TEASURE)」など様々なブランドがしのぎを削っているが、商品の研究開発こそが彼らの核心的競争力であるのは確かだ。なお、台湾ミルクティーでは、フランチャイズ経営で数千店舗規模を展開するブランドが生まれているのに対し、喜茶はフランチャイズではなく直営店で少しずつ店舗数を拡大している。

いずれにせよ、茶飲料の市場競争が激化していることに変わりはなく、喜茶の実験的店舗のような試みは今後、多くの競合ブランドがトライする領域だろう。
(翻訳・飯塚竜二)

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