スマートライフを提唱する実地集団、実力に疑問符

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スマートライフを提唱する実地集団、実力に疑問符

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住宅のスマート化と技術刷新がますます進む中、タッチパネルがあるだけの「最新住宅」はすでに時代遅れとなっている。

10月25日、広州のデベロッパー実地集団(Seed Land)が北京でメディア発表会を開いた。スマートライフを牽引することを表明し、現在打ち出している「スマートライフシステム」(略称SLS)について説明した。

実地集団総裁 羅剣威氏

「スマートホームとスマートコミュニティはSLSの骨であり、データと顧客はSLSの血である」。実地集団が語ったスマートホームとは、傘下である37度智能家居(37℃ SmartHome)が設計したデータ共有可能なスマートベッド、スマートクローゼットのことを指す。またスマートコミュニティは、あらゆる人、自動車、ものをプラットホームで一括管理する、より効率的なコミュニティ運営のことである。

実地集団会員運営センター総経理 塗飛氏

スマートホームとスマートコミュニティの概念は、2016年にデベロッパーから相次いで打ち出されたものだ。例えば、万科(Vanke)は2015年に京東集団(JD.com)と手を組んでスマートホーム体験館をつくり、その数年後には小米科技(シャオミ)

、アリババ、テンセントなどの大手インターネット企業と組んで各方面でプロジェクトを展開した。金地(jindi)は2016年、ファーウェイと組み、ファーウェイHiLinkシステムと連動することで暮らしを一括管理できる仕組みを発表した。金科(jinke)はマイクロソフトとコミュニティデータ研究開発センターを設立し、ビッグデータ情報システム「天启」(tianqi)を通じてスマートコミュニティへ個別対応サービスを提供すると発表した。

「システムの調達にはコアシステムとの互換性や拡張性などいくつもの壁が存在する。中でも最も重要なのは顧客視点だ。例えばスマホアプリなどを使ってカギの開け閉めができるスマートロック。このシステムを提供するメーカーは非常に多い。自社工場があるメーカー、ノウハウがあるメーカー、逆に何も持たないメーカーもいて、差別化が進んでいる」。某スマートコミュニティの運営者は36Krの取材にこう語った。

業界の状況を見ると、実地集団が打ち出すスマート化は新しい概念ではない。また実現性の観点から見ても、実地集団は詳細な具体策を打ち出しているわけでもない。そのため実地集団の「スマートライフを牽引する」という宣言は、いささか説得力に欠ける。

実地集団の第二の矢「健康」への提案も差別化にはつながらない

今回の発表会では実地集団が提案するテーマ「家有健康」(住まいに健康を)についても言及された。コミュニティ内の健康管理システムに重点を置き、従来の医療サービス以外にスマートヘルスケアを推進し、住民に対して疾患予防や食事・運動面の提案を行うというものだ。

ただし、「実地集団のプロジェクトの多くは大都市の郊外や地方都市で展開されている。立地に優位性はなく、スマートコミュニティや家有健康を顧客に打ち出しているが、実際には描いていたものとの差が大きく、医療・看護の領域では競争力が弱い」という見方もある。

テクノロジーが住宅と大きな関わりを持つようになってから十数年が経つ。スマートホームに関しては消費者の認知も広がり、提供する側が「コンセプト」だけを発信する時代はとっくに終わった。これからの消費者はどこに優位性を感じ、何を選ぶようになるのだろうか。
(翻訳・大友)

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