中国発スライド式全画面スマホは布石に過ぎず

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本体にスライド式機構を導入した全画面スマートフォンが新たなトレンドになりそうだ。中国の大手メーカー3社は10月最終週から11月初週にかけて、続々と全画面スマホを発表した。小米科技(シャオミ)の「Mi MIX3」、ファーウェイ(華為技術)のサブブランドHonorの「Honor Magic 2」、レノボ(聯想集団)の「Z Pro」が話題を集めている。

今年6月には、新興スマホメーカーOPPOが「Find X」を、vivoが「NEX」を発表。Find Xはオートスライド式でカメラを格納。NEXはオートリフト式のインカメラを採用したベゼルレスデザインが話題になっている。

これで中国のスマホ市場で77%のシェアを占める4大メーカー(ファーウェイ、OPPO、vivo、シャオミ)が揃ってスライド式を導入したことになる。

スマートフォンの画面占有率を向上させる試みに対して、フロントカメラの存在は常に障害となってきた。OPPOとvivoが先んじてこれを解決した形だが、電動スライド構造は生産コストを大幅に跳ね上げる。今回シャオミ、ファーウェイ、レノボが発表した全画面スマホは手動スライド式で、コストの課題もクリアした。

低コストでスライド機構を実現したといっても、完全無欠のスマホが誕生したわけではない。

部品点数が増えれば不具合のリスクも高まる。構造上、防水性にも問題が出てくる。重量や厚さも増した。デザイン面で美観が損なわれた点は否めない。以上の点から、スライド式のスマホが今後全面的に普及することはないだろう。

IT市場調査会社ガートナーのアナリスト呂俊寛氏は「スライド式のスマホは一時的なトレンドに過ぎず、将来的には新たなソリューションが取って替わる」と分析する。

メーカー側もその点は把握しており、Honorのビジネスユニットプレジデント趙明氏は「カメラの収納方式について、将来的にはより創意に富んだデザインが複数登場するだろう」と述べている。レノボのバイスプレジデント常程氏も「最終的にはアップルがベストな解決法を出してくるだろう。2~3年以内に、我々には思いもつかないアイディアで」と見ている。

一時的な革新とはいえ、スライド式のスマホは各メーカーにとって必然のステップだ。

パソコン同様、スマホもソフト面での差別化は難しく、デザインで勝負するしかない。

無論、カメラなど機能面での進化は続いている。しかし、ユーザーにとってこれらは大同小異の進歩であり、「新しい体験」をもたらすには至らない。その点、外観上の変化は目に見えるだけに、ユーザーに与えるインパクトが大きい。ブランドのイメージ向上には好材料なのだ。

ただし、メーカー側はスライド式スマホを前面に押し出しているわけではない。

シャオミもHonorも、先日の製品発表会では機能面の革新を強調し、全画面スマホの実現については軽く言及するのみだった。

両社ともコストパフォーマンスを売りとしてきたメーカーだが、これを払拭し、技術力やイノベーション力をアピールするには、セールスポイントの「見える化」が必須だったということだろう。両社がフラッグシップモデルでスライド式機構を導入したのは、単に販売増を期待してのことではない。ブランド力を高め、ハイエンドモデルに参入するための布石なのだ。
(翻訳・愛玉)

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