「中国の店舗をリスペクトの余り引っ張られた」クマの手カフェ一問一答

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大阪府の「クマの手カフェ」と上海の「熊爪珈琲」の関係について、クマの手カフェ広報担当者の回答は以下。

(編集部注:クマの手カフェは、熊爪珈琲を「非日常」と記載しています。熊爪珈琲は日本で報道されたオープン当初は「HINICHIJOU」というロゴを打ち出していましたが、その後、ブランド名や企業名をクマの手を意味する「熊爪珈琲」に統一しています)

ーー公式HPに「クマの手カフェのアイデアソースとして上海の非日常様を参考にさせていただきました」「切磋琢磨」などとの文言がありますが、実際に連絡を取ったり承諾を得ているのでしょうか。

回答:現在、承諾を得たわけではありません。出店に当たりそのことは議論になりました。承諾を得るべきか、必要がないのか?

上海は身体障害者に対してのやさしさとアプローチ、当方は心理的側面での傷つきやすさや息苦しさの特徴を持った方々へのメンタルアプローチ、そして何より、上海サイドはご自身やスタッフの方々の特徴を非対面としたお店で展開されていることがメイン(主訴)であること。
我々のコンセプトは、日本国内においてメンタルケアーを中心において活動されている組織をあまり見たことがないこと。

我々のメイン(主訴)は、その繊細な方々の働ける場の提供と、日本に不足しているであろうグレーゾーンで生きにくい方々に対してメンタル教育を広めていく活動であることと、このプランを我々は東京や主要都市に広めたいと考えております。

基本的にコンセプトが異なっていると考えており、形状は似ているが違った店という立場です。お互いコンセプトは違いますが、話題性としましては素晴らしい活動に違いありませんので、それこそ「切磋琢磨」出来たらと考えております。

ーー公式HPに「素晴らしいアイデアは普遍であると感じています」と記載していますが、「熊の手が小窓から商品を渡す」モデルを「普遍的なアイデア」と言うのは無理があるように思います。

写真左は熊爪珈琲(微信公式アカウントより)、右はクマの手カフェ(プレスリリースより)

回答:ウインドウズがありアップルがある。グーグルがありヤフーがある。吉野家がありなか卯がある。これは国内での競合のお話しです。中国のコーヒーショップと、日本のカフェ(メインはパフェやクッキー・珈琲はもはやサブ)のお話で、文化も法体系も異なる国。「小さな窓からサービスを提供」するという共通テーマがあるのみと考えております。

店の形状やスタイルが酷似していますのは、非日常様をリスペクトさせていただいたことによりやや引っ張られすぎたかなと、若干反省しているところです。

ーーなぜ、模倣と指摘されることが予想できるのに、「クマの手」を使用したのでしょうか。せめて猫やウサギの手にするとか、他にやりようがあったのでは。

準備前の会議で当然議論になりました。あまりにも酷似するのは良くないのではないか? いやいや、かわいいからぜひ採用すべき、「猫の手は」「犬の手は」「パンダの手は」「シロクマは」……。

問題は手をどう作るかで、毛足の長い生地・素材を手で渡す長い手袋に仕上げると、ほとんどがクマに見えてしまうことでした。

肉球をつけて猫? 犬? どうしても「クマ」に見えてしまうのならクマでいいんじゃないかと……。恥ずかしながら、多数決で「クマ」になりました。

名前は<非日常>とやや「クール目」ですね。我々は「かわいい目」でストレートにクマを使おうと。

クマの手カフェの広報担当者は「リスペクトするあまり、近づけすぎた」という。写真左は熊爪珈琲。右はクマの手カフェ。

ーー日本で意匠権や商標権などの対応はされていますか。

友人の弁護士と相談させていただいており、ご指摘は、不正競争防止法違反の案件に抵触するか否か、非日常様の顧客を呼び込む特徴に酷似していることにより、非日常様の顧客を奪っているか否か、但し、非日常様は中国で展開されていて、かつ、日本での認知がそこまで広がっているとは思えないこと。

上海の顧客に、今回の大阪の出店が、そこまで影響を及ぼすとは考えにくいではないかということ、なので抵触しているとまでは言えないのではないかと、判断が難しいのではないかと。

(浦上早苗)

上海の人気店そっくりカフェが大阪で開業。運営会社「承諾は得ていないがアイデアは普遍」 | 36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

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