話題だった中国美容整形アプリ「SoYoung」、株価は高値から75%下落 芸能人の肖像権乱用で裁判

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中国最大の美容医療プラットフォームを手掛ける「新氧科技(SoYoung)」が、歌手のニッキー・ウー(呉奇隆)やフア・チェンユー(華晨宇)、ジュー・ジンイー(鞠婧禕)ら複数の芸能人から「インターネット上の権利侵害」をめぐり訴えられている。同社のプラットフォーム「新氧医美」で彼らの写真が無断使用されていたという。

これについて同社は、公式アカウントが使用した写真の肖像権と名誉権に関する訴訟と確認したと表明。すでに当事者と話し合いを始めており、インターネット関連の裁判を行う北京互聯網法院(Beijing Internet Court)にも積極的に協力する意向を示した。

2013年に創業した新氧科技は、科学技術をベースに美意識の高い人々の健康と美容をサポートしている。2019年には米ナスダックに上場した。

IPOの目論見書によると、主要事業は美容医療に関するオリジナルコンテンツの提供、高度なSNSコミュニティの運営、美容医療オンライン予約サービスの3つだ。

同社が9月に発表した2021年第2四半期決算によると、第2四半期の売上高は前年同期比37.7%増の4億5180万元(約80億円)で、業績予想を200万元(約3600万円)ほど上回った。純利益(Non-GAAP)は同145.2%増の7370万元(約13億円)だった。

今回の訴訟が起こされた背景には美容医療業界の混乱がある。中国消費者協会(CCA)が昨年受け付けた美容医療に関するクレームは7233件で、5年前の483件に比べ15倍に増えたという。

中信証券(CITIC Securities)のリポートによると、中国の美容医療業界は創成期にサービス業者が秩序なく発展したためにマーケティングコストが高くなり、業界全体が理想的とは言い難い経営状況になっているという。

中国国家衛生健康委員会などは今年6月、「違法な美容医療サービス取締りの特別方案」を発表。8月には国家市場監督管理総局が「美容医療広告に関する法執行指針(意見募集稿)」を打ち出し、業界に対する監督管理は厳しくなった。

新氧の幹部は決算説明会で美容医療業界の監督管理について、社内に専門のコンプライアンスチームを設け、リアルタイムで国の政策と基準をフォローしながらプラットフォームの基準を最適化していると説明。また、規則違反情報リスク管理モデルライブラリーを持ち、社内管理とリスク管理に注力していることが同社プラットフォームの強みになるとしていた。

しかし、現時点では同社が進める管理体制の構築を見守る必要がある。

今回の訴訟が起こされる前にも同社は293件の訴訟に関与し、うち55.97%は被告の立場で関わっている。

同社の株価は今月25日(現地時間)時点で4.38ドル(約499円)で、2月17日に記録した年初来高値17.4ドル(約1978円)から75%近く下がり、公開価格13.8ドル(約1569円)の3分の1以下となった。
(翻訳・神戸三四郎)

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