大連拠点を閉鎖した東芝、「今後も中国事業を拡大」と表明

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大連拠点を閉鎖した東芝、「今後も中国事業を拡大」と表明

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【新華社上海10月28日】中国上海市で11月5~10日に開かれる第4回中国国際輸入博覧会に東芝は4年連続で出展する。同社の執行役員で中国・東アジア総代表兼東芝中国董事長の宮崎洋一氏はこのほど、新華社の単独取材に応じ「東芝は初回から出展しており、潜在顧客の育成やブランドイメージの強化など効果が増えつつあることを実感している」と語り、今後も中国事業を拡大していく考えを示した。
東芝は今年、グループ経営理念の「人と、地球の、明日のために」を輸入博の出展テーマに掲げ、エネルギーや最先端医療、電子部品、社会インフラなどの技術を展示する。純水素燃料電池システム「H2Rex」やリチウムイオン電池「SCiB」、重粒子線がん治療装置、IEGT(電子注入促進型絶縁ゲートトランジスター)、スポット・ゾーン空調システム「FLEXAIR」などの出展を予定している。 宮崎氏は重粒子線がん治療装置について「40年余りにわたり培った原子力技術の延長線上にある製品で、がん治療に高い効果を発揮するだけでなく、人体への負担も軽減できる。東芝の重点製品でもある」と説明した。
中国は2030年までの二酸化炭素(CO2)排出量ピークアウトと2060年までのカーボンニュートラル(炭素中立)実現を目標に掲げる。宮崎氏は同目標が東芝の企業成長目標にも合致していると指摘。「電力を供給・制御するパワー半導体は、送配電時の省エネに重要な役割を担うが、東芝はこのパワー半導体、すなわちIEGT分野で高い実力を持つ」と述べた。
水素エネルギーについては「東芝の事業は最終プロセス、つまり水素でエネルギーを生み出すことに集中している」と説明。水素製造はしておらず、輸送や貯蔵にも関わっていないことから、中国国内で同分野の供給業者や産業チェーンとの提携が増えることに期待を示した。 東芝は9月末、産業用モーターなどを製造する現地法人「東芝大連有限公司(遼寧省大連市)」を閉鎖した。宮崎氏は「東芝大連は1991年に設立し、今年でちょうど30年になる。この30年で設備の老朽化が進み、多くの製品が中国市場の需要に見合わなくなってきた。慎重に検討した結果、閉鎖を決めた」と説明した。
「東芝は他にも中国で幅広い事業を展開している」とも述べ、今後も中国事業を拡大し、中国社会の発展と変化に積極的に対応していく考えを示した。(記者/楊有宗、梁晨)

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