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家庭用ロボット掃除機を開発・製造する「Uoni(由利)」が最新製品「UONI A1」を発表した。掃き掃除のほか拭き掃除もでき、さらに回転式モップも自動洗浄できる製品で、水の循環や溜まったゴミ捨てなども自動化され、「60日間放っておける」掃除機だという。ロボット掃除機は技術面での競争が一段落し、今後は洗浄能力が争われる段階に移っていく。
ロボット掃除機は最もハイテクの実用化がしやすい製品だ。市場もダイレクトにその技術を評価する。技術が役立つものかどうかは、売れ行きに直に現れる。こうした技術面の躍進がきっかけで、ロボット掃除機市場ではこれまでに2社が小さなブームを起こした。1社目は自主開発したレーザーナビゲーション技術が消費者や資本市場の支持を得た「Roborock(石頭科技)」。2社目は拭き掃除とモップの自動洗浄性能を一体化させた製品を発表した「Narwal(雲鯨智能)」で、Narwalの評価額は昨年、15倍にも膨らんだ。
ロボット掃除機に用いられる技術は成熟に向かっているが、多くの業界関係者は市場はまだ初期段階だと評価する。LDS(Laser Direct Structuring)によるナビゲーション、構造化光を用いた3Dスキャニング、ダイレクトToF(Time of Flight)方式による測距、AIのアルゴリズムなど、航空宇宙や自動運転分野、スマートフォンなどに使われる技術の多くがロボット掃除機にも活用されている一方、中信証券(CITIC Securities)のレポートによると、中国都市部の家庭でのロボット掃除機の普及率は8%に満たないからだ。
技術の成熟度が飛躍的に伸びても市場浸透率の急上昇につなげられない主因は、顧客の悩みが適切に解決されていないことだ。
公表されたデータでは、中国の住宅に使われる床材は56%がタイル、43%が木材でカーペットはわずか1%だ。一方、米国ではカーペットの占める割合が50%近い。ほこりを吸引するバキュームクリーナーを基に進化してきたロボット掃除機は、当初はカーペットを掃除するための製品であり、中国では需要を大きく喚起するものではなかった。
タイル張りの床が主たる中国の家庭では、水を使った洗浄機能がカギとなる。今年1〜7月、水拭き機能を備えた「添可(TINECO)」のスティック掃除機は平均販売価格3321元(約5万9000円)にも関わらず、販売額は前年同期比で1042%伸び、市場シェアは76.2%に達した。ただし、拭き掃除ができるロボット掃除機は体積が大きくなってしまう難点がある。また、拭き掃除の洗浄力を高めるためには床面を強くプレスする必要があり、これが大きな騒音につながる。水拭き掃除機が現在はハンディ式に限られる原因だ。
Uoniの嘉木CEOは「水拭きロボットはモーター部分が防水性能を備え、本体は漏水を防ぎながら排水し、汚れの回収がスムーズに行われなければならない。限られた体積の中で全空間を有効利用するという構造上の大きな難所があり、これが製品開発にとって高いハードルとなった」と語る。
UONI A1の独自性はまさにここにある。Uoniが10年以上かけてロボット開発やサプライチェーン管理に携わってきた経験から、水洗い機能を初めてロボット掃除機に搭載することに成功した。4年の開発期間中、水拭きシステムは3代目まで進化。この最先端の水洗いシステムを搭載し、回転式モップを自動洗浄できるソリューションを実現している。
嘉木CEOは優れたロボット掃除機の条件として、掃き掃除、拭き掃除、モップの洗浄と乾燥、吸い込んだゴミの排出、水の循環が自動化されることを挙げた。「15日以上、掃除機そのものにタッチしなくてもきちんと掃除が行われることが肝心だ」という。
データサービスプロバイダー奥維雲網(AVC)によると、今年1〜7月、ロボット掃除機のオンライン販売額は52億6200万元(約940億円)で、昨年同期の37億2800万元(約670億円)から大きく伸びた。ただし、ロボット掃除機は徐々に大型化し、多機能化が進むとともに、価格も上がってきている。さらに嘉木CEOは「現状のサイズ感でみれば、家庭にはロボット掃除機を収納する専用のスペースが必要になってくるだろう」と述べた。
(翻訳・愛玉)
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