中国無糖飲料「元気森林」が新たに220億円を調達 評価額1兆7000億円へ

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無糖炭酸飲料メーカー「元気森林(GENKI FOREST)」が間もなく約2億ドル(約220億円)の資金調達を終えることが明らかになった。「テマセク・ホールディングス」がリード・インベスターで、セコイア・キャピタル・チャイナ(紅杉資本中国基金)などの既存株主がコ・インベスターを務めた。今回の資金調達後、元気森林の評価額は150億ドル(約1兆7000億円)に達する見込み。

今年4月に完了した前回の資金調達後の評価額が60億ドル(約6800億円)だったので、元気森林の評価額はわずか半年で2.5倍に上昇したことになる。

これについて、元気森林からコメントを得ることはできなかった。

評価額の急上昇は、同社の規模拡大と直接関係がある。2018年~20年の売上高はそれぞれ1億6000万元(約30億円)、8億7000万元(約150億円)、23~25億元(約400~440億円)で、3年で10倍以上に成長した。今年の売上高目標は、実店舗で75億元(約1300億円)、オンライン販売で8億元(約140億円)としている。

しかし、ある投資家はオンライン販売の伸びが鈍化しているほか、実店舗でも中国の大手飲料メーカー「娃哈哈(Wahaha)」や「農夫山泉(Nongfu Spring)」、コカコーラ、ペプシコーラが相次いで無糖炭酸飲料を発売していることから、年度目標の達成は困難との見方を示す。

複数の販売代理店関係者によると、元気森林は業務拡大のため、2019年から各地域で人員調整を行い、地級市(省の下の行政単位)で販売員と事務員を大幅に増やした。別の関係者も、元気森林は実店舗の人員をここ2年ほどで急速に増員し、現在は全従業員5000人余りのうち3分の2が実店舗の人員になっていると説明した。

元気森林は昨年、新たに顧客管理部門も設立し、カルフールや大型量販店「大潤發(RT-MART)」などの主要顧客を本部の担当にして集中管理を実現。直営比率も初めて20%を超えた。

元気森林は「コカコーラを目指す」と宣言し、昨年から出資や買収を繰り返してきた。事業は、肉加工品や軽食、おやつ、コーヒー、酒類など十数カテゴリーに拡大した。

元気森林創業者の唐彬森氏は、今年は多くの新商品を発売する方針を示していた。また、同社は今年は研究開発費と研究開発職の人数を昨年の3倍とする計画を明らかにしていた。

同社は自社工場の建設にも多額の資金を投入している。すでに5工場が操業を開始しており、年内には生産の80%を自社工場で行えるようになる見通しだ。同社によると、天津工場への投資額は5億元(約90億円)で、安徽工場の初期コストも4億5000万元(約80億円)に上る。

自社工場のメリットは、自社の計画に合わせて生産でき、飲料の調合が外部に漏れる心配もないことだ。また、さまざまな地域に自社工場があれば、地域のサプライチェーンを最適化して流通コストを節約できる。

36krが取得したデータを基に試算したところ、元気森林のコストは主にマーケティング、販売チャネル、商品開発および工場建設にかかっており、総額は年間50億元(約890億円)を上回る。だとするならば、元気森林はまだ黒字化できていない可能性が高い。

元気森林の資料によると、同社の商品は全国30以上の省、直轄市、自治区で販売されているほか、米国やシンガポール、ニュージーランドなどに輸出されている。今回調達した資金も、主に商品開発、自社工場建設および海外市場の拡大に充てられるという。

(翻訳・二胡)

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