テンセント7〜9月期、売上高は2.5兆円 未成年へのゲーム規制強化でも成長維持

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中国のIT大手テンセントが10日、2021年第3四半期(7〜9月)の業績を発表した。売上高は1423億6800万元(約2兆5300億円)で、市場予想の1454億1300万元(約2兆5900億円)を下回ったが、前年同期の売上高1254億4700万元(約2兆2300億円)を上回った。純利益は前年同期の385億4200万元(約6900億円)から約3%増の395億1000万元(約7000億円)で、こちらは市場予想の326億200万元(約5800億円)を上回った。

SNSアプリ「微信(Weixin)」とその海外版「WeChat」を合わせた月間アクティブユーザー数は前年同期比4.1%増、前期比0.9%増の12億6200万人。ミニアプリ(アプリ内アプリ)に相当する「ミニプログラム(小程序)」のアクティブ件数は前年同期から40%以上増えた。インスタントメッセンジャー「QQ」のモバイル機器利用の月間アクティブアカウント数は5億7370万件で、前年同期比7.1%減、前期比2.9%減と減少傾向に歯止めがかからない。有料付加価値サービスの利用会員数は前年同期比10%増の2億3500万人で、動画共有サービス「テンセントビデオ(騰訊視頻)」の有料会員数は同8%増の1億2900万人。今四半期、テンセントビデオは中国のオンライン動画プラットフォームで再生回数1、2位となった「掃黒風暴(Crime Crackdown)」「你是我的栄耀(You Are My Glory)」を放映しており、好調の主な理由となっている。

ゲーム事業は、国内市場の売上高が前年同期比5%増の336億元(約6000億円)で、海外市場の売上高が同20%増の113億元(約2000億円)。海外の売上高が国内の3分の1に達した。また、過去数四半期のデータを基に、引き続き未成年ユーザーに関するデータも公開している。今年9月、国内の未成年ユーザーがテンセントのゲームをプレイした時間は、国内全ユーザーによるゲーム時間全体の0.7%で、前年同月の6.4%から大きく下がった。同月、国内の未成年ユーザーによるゲームの売上高は市場全体の売上高の1.1%で、前年同月の4.8%から下がっている。中国では9月からオンラインゲームに対して「史上最も厳格な」新規制が施行され、未成年はゲーム利用時に実名登録が必須となる上、週に3時間しかプレイできなくなった。

インターネット広告事業の売上高は前年同期比5%増の225億元(約4000億円)で、伸びは大幅に減速した。うち、SNS・その他の広告による売上高が同7%増の190億元(約3400億円)、メディア広告の売上高が同4%減の35億元(約620億円)。ニュースアプリの広告収入が減ったことが主因だ。広告事業の伸び率が下がった理由について、決算報告書では教育、保険、ゲーム業界の需要が停滞したことを挙げている。

フィンテックおよび企業向けサービス事業の売上高は前年同期比30%増の433億元(約7700億円)。コロナ禍の影響でオフラインの決済サービスは取引額が伸び悩んでおり、テンセントが運営するWeChat Pay(微信支付)はアリババのAliPay(支付宝)と同様、UnionPay(中国銀聯)のクラウド決済アプリ「Cloud QuickPass(雲閃付)」との提携をさらに進めている。
(翻訳・愛玉)

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